著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
課題性・論理性・交流性を考えた発問づくりで国語授業が変わる!
山口県下関市立安岡小学校教諭香月 正登
2016/7/23 掲載
 今回は香月正登先生に、新刊『3つの視点で実現する!小学校国語科アクティブ・ラーニング型発問づくり』について伺いました。
香月 正登かつき まさと

1967年(昭和42年)福岡県生まれ。山口大学大学院修士課程修了。現在、下関市立安岡小学校勤務。中国・国語教育探究の会事務局長を務める。

―書名の「3つの視点」とはどのような視点かご紹介ください。

 3つの視点は、「課題性」「論理性」「交流性」です。AL型授業に求められる「主体的な学び」「深い学び」「対話的な学び」に、それぞれ対応しますね。「課題性」「論理性」で軸を定め、「交流性」で躍動感のある学びを展開します。3つの視点が総合的に機能したとき、AL型授業は実現するでしょう。

―アクティブ・ラーニングの視点から授業改善を考える上で、「発問づくり」のどのような点が重要なのでしょうか。

 まず重要なのは、子どもたちの心に火を付け、課題性を広げる発問です。子どもたちはさまざまなアプローチを試み、学びを焦点化していきます。そこに、論理性を高める分析的、構造的な発問を加えると、自分の見方、考え方を深めていきます。二段構えで発問を用意しておくことですね。

―本書には説明文や物語文、詩・俳句・短歌の授業実践例が紹介されていますが、ここでは発問づくりの他にどのような点を活用してほしいと思いますか?

 本書では、授業のあり様を細かく記述しています。ぜひ、活用してほしいのは、学習のめあての設定の仕方や発問のタイミング、交流場面の組み方、板書などです。また、子どもたちの表現物を示して、評価のポイントも載せています。実践のイメージが湧きやすい本になっています。

―本書が目指している「論理ベース」の授業づくりについても簡単にご紹介ください。

 論理ベースの授業づくりとは、「説明する」「比較・検討する」「推論する」など、論理(確かな根拠)が求められる言語活動で設計する授業づくりです。そのプロセスに言語スキルの活用を位置付けて、ことばの仕組みを見出していきます。子どもたちがどう学びたいか、そこが中心ですね。

―最後に全国の小学校で国語を教える先生方に一言メッセージをお願いします。

 国語科は、教科内容が曖昧で、教えにくい教科の筆頭かもしれません。しかし、子どもたちがことばの関係性に気付き、驚き、味わえる授業は、本当に楽しいですね。本書には、そのためのヒントがたくさん詰まっています。ぜひ、ことばの本質を問う授業をご一緒に考えていきましょう。
 

(構成:木山)
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