著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ピンチをチャンスに変える学級経営のヒミツ
愛知県名古屋市立萩山中学校福地 孝宏
2017/1/12 掲載
今回は福地孝宏先生に新刊『NG対応→OK対応で学ぶ あわてないためのトラブル対処術』について伺いました。

福地 孝宏ふくち たかひろ

1962年、名古屋市に生まれる。愛知教育大学を卒業後、名古屋市立公立中学校教諭として勤める。1997年、教育に関するHPを開設し、その1つ『若手教師のワンポイント・レッスン』で教育技術を一般公開。全国から相談、授業参観、講演に応じる。2017年現在、名古屋市立萩山中学校教諭。

―学校でのトラブルは「ピンチではなくチャンスだ」と先生はおっしゃっていますが、避けたいトラブルをチャンスに変えるポイントは何ですか?

 それをトラブルとするか、あるいは、チャンスとするのかはあなた次第です。考え方を変えれば、すべてがチャンスになります。困難やトラブルは子ども達との関係をつくるチャンス! 子ども達の中に飛び込み、たくさんのチャンスをつくってください。子ども達との学校生活を楽しむようにすれば、ピンチやトラブルは自然に減っていくはずです。ピンチを楽しめるようになれば、子どもたちとの良好な関係がどんどんできていくと思います。逆に、毎日が平和な学校にはチャンスが少なく、先生自らがチャンスをつくり出す必要があります。

―1章で先生は「教師の基本姿勢」を8つあげていらっしゃいますが、その中で特に大切だというものを1つ簡単に紹介いただけないでしょうか。

 よく観ることです。見るではなく観る、です。
子どもをよく観る、状況をよく観ることです。ぼやーっと見るのではなく、自分で観察ポイントを決めて注意深く分析することです。これが十分にできれば、どのように対処すれば良いのか自然にみえてくるものです。あとはそれを実行するだけ! もちろん、実行中もよく観察しなければいけません。あなたの指導に対して、子ども達がどのように変化しているかよく観るのです。よく観ることができる先生は、自分自身についてもよく観えているものです。

―2章では、実際のトラブル場面を「生活」「授業・学習」「教師と子ども」「友だち関係」「保護者対応」と5つの場面について書かれていますが、若い先生が苦慮されるのはどの場面が多いものでしょうか。

 「授業・学習」の場面です。
 えっ、と思われる先生も多いと思いますが、授業は学校生活の中心です。若い先生はたくさんの仕事がありますが、自分の授業は絶対に手を抜かないでください。授業さえしっかりできれば、子どもたちは「授業はできる先生だ」ととらえます。あの先生は授業は凄い!ということになれば、それは「生活指導」に繋がります。「教師と子ども」「友だち関係」「保護者対応」にも繋がっていきます。授業を一人前にできるようになった時、他のことも自然にできるようになっているはずです。

―2章で具体的にあげてくださっているトラブル場面への対処法として先生は格言をあげてくださっていますが、その格言を1つ紹介いただけないでしょうか。

休み時間と授業の区別 できる教師のクラスはできる

 以上です!

―最後に学校現場でがんばる先生にエールのメッセージをお願いします。

 トラブルは毎日のように起こりますが、それらをすべて楽しんでください。困難な場面になればなるほど、その状況を楽しめるようになれば、あなたは本物です。でも、無理は禁物! 自分の力だけでは解決できないこともあります。実は、解決できないことばかりです。同僚に相談しましょう。保護者に話を聞いてもらいましょう。学校はみんなでつくるものです。先生はリーダーシップを取る必要がありますが、実際に動くのは子どもです。子どもたちに助けてもらえるようになれば、すべてのトラブルはあなたから消えていくはずです。

(構成:佐藤)

コメントの受付は終了しました。