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表紙の「担任を交代してください!」とか「土下座して謝れ!」というのは、実際にいくつもあったことです。若い保護者も多いのですから、言葉の使い方もよく分からない方が増えています。僕らが教師になったときとは、全く状況が異なっています。そのことが分からずに辞めることになっていったベテランの教師もたくさんいますよ。若い先生に限らず、今どきの保護者に対応することを考えなくてはいけないでしょうね。
本書にも書きましたが、保護者対応は先手必勝なのですから、何も教えられないままにふらりと現場に出たら、後手に回るのは目に見えています。僕は大学では国語教育を教えているので、学生に詳しく話せませんが、ヒントになることは示しています。大学で、学級づくりや保護者対応の講座がしたいものです。ときどき3月に武庫川女子大で4時間くらい話す機会がありますが、そこでは、このことは強調します。
真っ先に連絡をするということです。そして、一人で対応しないようにすることです。連絡は後手に回ると、言い訳にしか聞こえません。子どもの口から情報が入る前に保護者に連絡するべきですね。また、今の保護者にはチームで対応するということも大切です。一人でするのが一人前だなどと思わないことですね。
学級通信は、ものすごい効果のあるものです。全員が読むとは思いませんが、書き方次第では、多くの保護者が楽しみにしてくれますし、出会ったときの話題にもなります。手書きの方がよいと思いますが、コツが分からないと書きにくいかもしれませんから、パソコン打ちでもいいでしょう。パソコンだと、若い人たちの得意な画像の活用などの利点があります。
どんな優れたように見える教師でも、みんなときどき保護者に追い詰められることがあります。僕もそうだったし、僕の友人たちでも、「こんなにがんばっている教師なのに……」と思う先生でさえ、保護者とはうまくいかずに辛いときがあります。まず、自分だけではないということを、考えてください。
一人や二人くらい、合わない保護者くらいいます。いたとしても、どうってことないのです。そのことで、自分自身を否定することは全く必要ありません。少しの人に振り回されて、多くの支持者を見失わないようにしましょう。