「絵を描くことが苦手だと図工の授業はうまくできない」という考え方が浸透しているようですが、教師の画力と指導のスキルは別と考えます。まずは、このような思考回路から脱し、子どもたちの指導を行うことが大切です。子どもは感性が鋭く、教師の苦手意識は実は子どもに知らぬ間に伝わっているものなのです。教師自身が苦手意識を持たずに、楽しみながら子どもたちを指導できるような気持ちの切り替えが大事です。
その子の個性を最大限に引き出し、制作意欲につなげるためには、教師は一人一人の子どもがイキイキと制作活動できる状況を作る必要があります。詳細に関しては本に記していますが、作品の完成度にのみ焦点を絞るのではなく、それぞれの子どもの作品の良さを見つけ、その子の個性に合わせた言葉かけが必要となります。
特別支援の子どもたちの中には、造形活動が得意で特別な才能を発揮する子どもも多く、実は、教師は大変重要な役割を担っていることをしっかりと自覚する必要があります。発達段階に合わせて、個々の子どもの特徴をしっかりと見極めながら指導することが大切です。支援の必要な子どもは敏感ですから、特に留意する必要があります。
読書の秋とも言いますので、「エリックカールになってみよう!」、エコ材料を使用した「身の回りを探検してみよう!」、想像力を使う「不思議な生き物を作ろう!」、などはいかがでしょうか? 担任教師が子どもたちと一緒に制作したいと思うものを選ぶのも良いかもしれません。
図工の時間は、子どもたちが普段見せることのない様々な側面を造形活動を通して表現してくれます。先生方は、そのようなメッセージをしっかりと受け止めながら、造形活動を通して子どもたちとコミュニケーションしてください。少し指導が難しいと思う子どもも、造形活動を通してコミュニケーションすることで違った側面が見えてくることがあり、学級経営に生かせるかも知れません。どうぞ先生方も子どもたちと一緒に楽しみながら授業展開をしてください。
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- ガルシア留美子
- 2017/11/3 0:32:51
言葉かけの欄が想像以上に参考になった。指導上の苦手意識がなくなったように感じる。 -
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- 名無しさん
- 2017/11/3 0:35:56
著者の多様な経験がこの本の言葉かけの根幹かも。他の本と少し違ったアイデアをもらえる。