著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
一生の財産になる語彙力を、楽しく学習しよう!
東京都公立小学校主任教諭赤堀 貴彦
2020/1/28 掲載
 今回は赤堀貴彦先生に、『授業で使える! 語彙力アップ! 小学校国語 漢字・熟語ワーク』について伺いました。

―本書の内容や使い方について、簡単にご紹介ください。

 本書は、短時間で効率的に漢字や熟語に親しみ、語彙力を伸ばすことを目的に作成したワークシート集です。大事だとわかっていながらも、漢字や熟語の指導に多くの時間を割くことができないという課題にこたえる形で、先生方も子どもも負担に感じることなく、継続的に取り組めるよう工夫しました。
 説明ページは、指導の前に先生方がワークシートのねらいや指導の流れを確認できるようになっています。ワークシートページは、印刷してお使いください。繰り返し取り組んだり、同じ形式の違う問題に取り組んだりするとより効果的です。子どもたち一人ひとりが「漢字って面白い」「こんな風にも使えるんだ」と気づけるような内容となっています。

―本書は子どもが楽しく取り組めるような工夫がたくさん施されていますが、ワークシートづくりにあたって特に意識されていることはどのようなことでしょうか?

 ワークシートづくりにあたっては、教科書に掲載されている教材をもとにしながら、日常生活の中でどう漢字や熟語が生かされているのかを、子どもたちが意識できるような問題を考えました。そのため、様々な種類の問題をつくり、ワークシートをやるたびに発見があるよう工夫しました。授業の中で繰り返し漢字や熟語に触れることで伸びる力もあれば、学習したことを日常生活の中で実際に使うことで伸びる力もあります。
 その2つの力が並行して伸びていくことで、子どもたちは漢字・熟語に進んで親しむ姿勢をもつようになり、語彙力の伸びにもつながります。そのことを常に頭の中に置きながら、問題を作成しました。

―漢字・熟語指導にかかわって、ワークの他に先生がこだわって実践されていることがございましたら、ぜひお教えください。

 現在、2年生の担任をしていますが、新出漢字の学習の際に、短い文を考えさせたり、その文を全員で読んだりすることで、漢字が様々な場面で使われていることに気づかせるようにしています。また、「この漢字は他にどのように使われるかな?」と聞くと、だいたい同じ読み方の違う漢字を言う子がいます。その際には、不正解だと言うだけでなく、たとえ既習漢字でなくても、「それはこの漢字だね」と板書して説明し、「そんな漢字もあるんだ」と子どもたちを少し得した気分、背伸びした気分にさせています。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 漢字・熟語の語彙力は、一朝一夕で身につくものではありません。しかしながら、子どもたちにとっては、一生の財産になるものだと思います。短時間でやるにせよ、教える工夫は無限あり、それを考える楽しさやその成果を味わえることは、この仕事の特権だと思います。
 本書をきっかけにして、少しでも多くの先生方が、「これならできるかも」「もっとこうすることもできる」と指導に前向きな気持ちになっていただければ幸いです。そんな先生が身近にいれば、子どもたちにとっても漢字・熟語の学習がきっと楽しくなると思います。

(構成:赤木)
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