- 著者インタビュー
- 特別支援教育
特別支援学校では、先生方が子どもの実態に応じた教材・教具を日々工夫して活用しています。今回、特別支援学校等の授業で活用している教材を、国語、算数・数学、体育、音楽、図工・美術、日常生活の指導、自立活動と幅広く紹介しています。基本的に手軽に購入できたり、工夫できるものを載せています。「こんな発想があったか」「同じ教材・教具でも使い方を工夫できる」など実践の中で、活用し更に工夫していただけたらと思っています。また、個別の指導や集団での指導の場面など、教材・教具を介して子どもとのコミュニケーションを図ってほしいです。
特別支援学校等の特別支援教育に関わる先生方に、是非参考にしていただきたいです。本書では、教材の紹介とともに、教材のねらい、工夫点、使用方法等を簡潔にまとめています。教材・教具を選定・工夫することは、子どもの実態を的確に把握しながら、スモールステップを考えていくきっかけになります。子どもの「できた」「わかった」がわかること、逆に「できなかった」時は、子どもの実態に即していなかったことになります。具体的な評価がすぐにわかり、改善につなげていってほしいです。
一つに絞るのは難しいですね。本書では、国語や算数・数学以外にも体育、音楽、図工・美術、日常生活の教材を紹介しています。ちょっと工夫すれば、すぐに活用できるものが多く含まれています。是非、すぐに使ってほしいです。その中で文字・かずの基礎にもなる「交差のあるペグさし」は、多くのことを示唆してくれます。字がかける子どもでも線に沿ってペグを入れられないことがあります。簡単な教材ですが、この教材の意味を説明できると保護者も納得できると思います。
交差のあるペグさし教材
日々、特別支援教育に関わっている先生方は、授業の工夫、教材・教具の作成に熱心に取り組んでいると思います。同じ教材・教具でも、発達の道筋を考えながら、スモールステップで考えたり、または実態把握(アセスメント)に生かしたりすることができます。また、適切な声かけで「できること」が増えることがあります。本書で紹介している教材・教具、また、日々の実践を通して、子どもにあった教材・教具を開発し、指導の手だてについて整理できることを期待しています。