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子どもは「大人の正しさ」には決して従わないということです。ならば何に従うのか?それは、「面白さ」です。
それも、あくまで「子どもが感じる面白さ」です。教師の面白さでは意味がないのです。だから、子ども同士のかかわり合いの活動を生み出す際、「この活動を子どもたちは面白がってやりそうか?」「面白がれるところはどこか?」と想像します。
想像が及ばなかったり、行き詰まったりする場合は子どもに直接聞いています。「こういう活動をしようと思っているんだけど、もっと面白くするにはどうすればいい?」と聞く。すると、子どものアイデアが出てきます。あとは、そのアイデアを取り入れるのです。教師が提案した活動に子どものアイデアが加わると、子どもは水を得た魚のように取り組み始めます。
たとえ子どものアイデアが稚拙であっても否定せず、子ども理解のチャンスと捉え、活動を一から考え直します。子どもが面白がってかかわり合えるように心がけています。
実際に活動を行う際は、基本的には見守る姿勢を取っています。たとえ期待する子どもの姿が見られなくても、教師が取り繕うことはしません。上手くいかなかったら潔く認めて、子どもたちと一緒に改善していきます。生み出して終わりではなく、よりよいものに何度もバージョンアップしていくようにしています。
最後に、前提として「自然な」ということは偶然ということではありません。必然を支える教師の仕掛けや子ども理解への情熱が大切です。
ずばり、「愛」と「技術」です。愛は、教師の子ども理解への情熱に言い換えられます。もっと子どもを知りたい、もっと子どもを理解したい。そう思えているか。さらにその思いが子どもに伝わっているか。子どもに伝わる努力をしているか。それが大切です。
一方、考えることを止め、子どもをやみくもに理解することに慣れてしまうと、知らない間に色眼鏡をかけてしまい、いずれ盲目の教師になってしまいます。盲目になってしまうと、知らぬ間に管理的な指導を続けてしまいます。すると、子どもたちは離れていってしまいます。教師と子どもの関係が希薄な教室に安心感は醸成しません。教室の安心感を醸成するためには、子ども理解への情熱の火を絶やさないことです。
しかし、教師の「愛」が子どもに伝わってなければ意味がありません。プレゼントは相手が受け取って初めてプレゼントになります。技術が必要になってきます。本書にはそんな技術をギミック(仕掛け)と名付け、35個紹介しています。
花が開いたような笑顔を見せる子もいれば、普段と同じ表情の子もいます。
つまり、荒れた野原が一夜でお花畑にはなりません。しかし、続けていくとジャブのように効いてくるものがあります。
効くかどうかは、やってみないとわかりません。また、子どもの実態によっては合わないものもあります。
あくまでも、先生方の目の前の子どもたちを第一に考えて、「これなら面白がってやりそう」と思えるものを選んでください。
日々大変です。苦悩しています。
正直、しんどい時の方が多いです。
しんどくなっている時は自分で自分の首を締めていることが多いです。
無いものやできてないことよりも、あるものやできていることを意識して見つけてください。
そして、決して孤立しないでください。
同僚や家族に悩みを打ち明けてください。人は話を聞いてもらうだけで、心が救われます。
もし、読んでくださっている方やその周りの方が孤立しているようであれば、私に是非連絡してください。個人のホームページ(https://morihiroaki.studio.site/)からご連絡ください。
あなたの悩みを一緒に言葉にしてみましょう。言葉にすると不安や恐怖正体がハッキリしてきます。正体が分かると、案外気持ちが楽になります。
教室に子どもの笑顔を取り戻すためには、まず教師の笑顔を増やしていきましょう。
辛い時こそ、口角を上げて笑顔のまねっこをしていきましょう。