- はじめに
- 第1章 自然なかかわり合いを生み出す教師の仕掛け −ギミック−
- 01 学級経営「ギミック」とは
- 02 自然なかかわり合いを生み出す4つのポイント
- ポイント1 子どもを知るための観察を行う
- ポイント2 「やってみたい」「見てみたい」を引き出す
- ポイント3 「友達のことが気になる」と感じさせる
- ポイント4 「かかわりがい」を実感させる
- 第2章 自然なかかわり合いを生み出す学級経営ギミック35
- [学級開き]
- ギミック01 窓がキャンバス
- 教室の窓をみんなで彩ろう!
- ギミック02 みんなの自己紹介クイズ
- 友達の理解を深めよう!
- ギミック03 クラスルールメイキング
- みんなの思いを込めたルールをつくろう!
- [朝の会・帰りの会]
- ギミック04 びっくりおみくじ
- 「気になる」からかかわりを広げよう!
- ギミック05 先生のしつもんばこ
- ききたいことは何だろう?
- ギミック06 ありがとうゲーム
- 身近なものへの感謝を広げよう!
- ギミック07 にこにこクリーム
- 教室に笑顔を広げよう!
- ギミック08 なんでもクリーム
- 感情表現のきっかけをつくろう!
- ギミック09 マインドフルゲーム
- 自分や友達の気持ちを知ろう!
- ギミック10 ストレスおばけ退治
- ストレッサーに気づいて解消しよう!
- ギミック11 バイバイ問題
- グループで協力して解決しよう!
- ギミック12 ジョハリレキ
- 自己発見と他者理解を継続的に記録しよう!
- [日直の仕事]
- ギミック13 にこにこ姿勢ピアサポート
- 良さを見つけて認め合おう!
- [掲示物]
- ギミック14 お守りのような言葉
- 「良い言葉」であふれさせよう!
- ギミック15 じぶんトリセツ
- 楽しく自己開示につなげよう!
- ギミック16 わくわく目標
- ひと工夫して興味を引き出そう!
- ギミック17 2つの顔
- 人の気持ちを「見て」理解しよう!
- ギミック18 思い出どどどーん
- みんなの思い出を積み重ねよう!
- ギミック19 教室の守り神
- 第三の視点で自分たちを見よう!
- ギミック20 みんなのミニ黒板リレー
- 励まし合いをつなげよう!
- [提出物]
- ギミック21 しあわせ日記
- 自己表現・自己発見のきっかけにしよう!
- ギミック22 忘れ物シャンプー
- 忘れないための工夫をしよう!
- ギミック23 共創宿題キャンペーン
- 楽しく協働的な学びにしよう!
- [給食]
- ギミック24 給食王冠・給食ペンダント
- 苦手への挑戦をあたたかく見守ろう!
- [休み時間]
- ギミック25 てくてくさんぽ
- 知らないものを教え合おう!
- ギミック26 算数島
- 誘い合って学び遊ぶ楽しさを感じよう!
- ギミック27 ひみつのおうち
- お手伝いし合って完成させよう!
- ギミック28 ハブ机
- ここをきっかけに交流を深めよう!
- ギミック29 百三の詩
- 手づくり詩集を楽しく読み合おう!
- [係活動]
- ギミック30 ため息あつめ
- みんなでクラスの課題を解決しよう!
- [学級レク]
- ギミック31 クラスフェス!プロジェクト
- みんなが楽しいレクを共創しよう!
- [学級じまい]
- ギミック32 しあわせ分析
- 自分自身を見つめ直そう!
- ギミック33 クラスルールReメイキング
- 「かかわりがい」を再認識しよう!
- ギミック34 お手紙タイムマシン
- 感謝を手紙で伝え合おう!
- ギミック35 お手紙タイムカプセル
- 未来のかかわり合いのきっかけにしよう!
- 参考文献一覧
- おわりに
はじめに
この本は、子ども同士のコミュニケーションをより豊かにし、子どもたちが安心して過ごせるクラスをつくりたいと願う先生に、1ミリちょっとでも前向きに、「これやってみたい!」「これだったら私のクラスの子どもたちはおもしろがってやりそう!」と思ってもらえるように書きました。
友達への注意やダメ出しのかかわり合いではなく、気兼ねなく素直な意見が言い合える関係を教室につくりたい。友達の良さや友達とかかわり合うことの良さに気づき合える活動を行いたい。そう思い立ち、明日から行動するきっかけになれば、と思います。
「子ども同士のコミュニケーションをより豊かにし、子どもたちが安心して過ごせるクラスをつくる」なんて、自分には無理だと感じる人もいると思います。「それどころじゃない」「まずはもう少しクラスを落ち着かせてからじゃないと」と諦める人もいると思います。でもこの本は、そんな人にも役立つことを目指して書きました。
いつもの子ども同士の注意合戦が、いつの間にか認め合う場にガラッと変わる。そんな実践も書いています。さらには、子ども同士のかかわり合いの土台となる、自己理解や自己発見の活動、安心感を高めるための相互理解の活動も書いています。
私の今の思いを記しておきます。子ども同士の自然なかかわり合いを通して、子どもたちは相互理解を深める。相互理解が深まると、自分や友達の見方が変わる。見方が変わると、かかわり合うことの価値を知り、考え方が変わる。考え方が変わると、より良いコミュニケーションを取ろうとする。この一連の子どもの変化を「豊かな」状態と呼びたい。そんな思いです。教室での豊かなコミュニケーションの育成が、分断のない調和のとれた社会の実現につながることを信じています。
この本の構成を説明しておきます。
第1章では、子どもたちが自然にかかわり合いたくなるような仕掛けのポイントや、筆者が意識していることを書いています。
第2章では、子どものかかわり合いを生み出すために、読者の先生方が実践できる仕掛けを全35個紹介しています。学級開き、朝の会・帰りの会、日直の仕事、掲示物、係活動、学級じまいなど、場面ごとに分けています。実際の子どもたちの様子に加え、仕掛けの裏側にある理念や背景も書いています。
本書とともに「子ども同士のコミュニケーションをより豊かにし、子どもたちが安心して過ごせるクラスづくり」への一歩を踏み出してみませんか。
/森 寛暁
後輩にも勧められる書籍だった。