著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
子どもも先生も幸せになる働き方
千葉県小学校教諭髙橋 朋彦
2022/11/24 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術
今回は髙橋朋彦先生に、新刊『教師力を高めるばっちり仕事ルール』について伺いました。

髙橋 朋彦たかはし ともひこ

1983年千葉県生まれ。現在、千葉県公立小学校勤務。文科省指定の小中一貫フォーラムで研究主任を務める。教育サークル「スイッチオン」、バラスーシ研究会、日本学級経営学会などに所属。算数と学級経営を中心に学ぶ。

―髙橋先生、『教師力を高めるばっちり仕事ルール』の完成をありがとうございました。先生が本書に込められた願いをどうぞ教えてください。

 教員になりたての頃、(学校の先生の仕方がわからない)と悩んでいました。そんな私が仕事と向き合うことで、ハウツーや心がまえなど、この仕事に必要なことが少しずつ身についてきました。『教師力を高めるばっちり仕事ルール』では、私と同じように悩んでいる方や仕事に行き詰まっている方々に、私のこれまでの経験や学びがお役に立てたらという思いで書きました。

―先生は「教師力とは幸せにすることができる力」とおっしゃっていますが、先生の幸せはどんなところにありますか?

 仕事や友達との時間も大切ですが、特に家族と一緒にいる時間を大切にしています。朝、何気なく「おはよう」「いってらっしゃい」「いってきます」と、あいさつを交わしてから仕事に行ったり、帰ってきてから「おかえり」「いただきます」と一緒にご飯を食べて過ごしたりする何気ない時間が大好きです。働き方を改善してから、日常の中で家族と一緒に過ごす時間をつくることができるようになりました。

―本書にはたくさんの仕事ルールが紹介されていると思いますが、その中でも先生が最も「ばっちり!」と思われる仕事ルールを1つ教えてください。

 「『教師の願い』をもつ」です。私は若手の頃、どうやったらうまくこなせるか、どうやったら子どもたちから人気を得られるか、という自分本位な考え方で仕事に臨んでいました。しかし、子どもはそんな気持ちを簡単に見抜いてしまい、子どもとよい関係をつくることはできませんでした。数年が経ち、「子どもの成長のため」という子どもに向けた『願い』をもつことにより、実践の成果が変わってきました。「なんのための教師か」と、向き合ってできた私なりの『願い』が今の私を支えてくれています。

―『ばっちり仕事ルール』は「ちょこっとシリーズ」のスピンオフ作品でもありますね? この『ばっちり』の方は「教師力を高める」ですが、『ちょこっと』は「教師力が高まる」…この違いと先生の想い、どうぞ教えてください。

 若手の頃の私のように、自分本位であったり何も考えていなかったりすれば、教師力を高めることはできません。仕事と向き合って大切にする「仕事ルール」をもつことにより、その「仕事ルール」が教師力を高めてくれます。「教師力を高める」ために教師がもっておきたい「仕事ルール」なのです。マインドセット的な…。
 
 一方、『教師力が高まるちょこっと時短・働き方スキル』は、「時短・働き方」につながるスキルです。ただ、教師が楽をするためのものではなく、子どもを伸ばし、仕事を効率的にこなすことができるスキルを集めました。ですから、時短や働き方を変えようとこのスキルを活用していくうちに、子どもが成長し、仕事がまわり出し…なんと、「教師力が高まる」のです!
 

―本書を手に取ってくださった先生方にメッセージをお願いいたします。

 「全ては子どものために」という言葉があります。しかし、全ては子どものために自分を犠牲にしてしまい、教師が笑顔でなかったり、幸せでなかったりしたら、子どもを笑顔や幸せにすることはできません。「全ては子どものために」自分自身の笑顔や幸せと向き合うこともとても大切だと考えています。一緒に子どもも教師も幸せになる方法を考えていきましょう。

(構成:佐藤)

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