話題の児童書 なぜ子どもを惹きつけるのか?
『頭のうちどころが悪かった熊の話』をご存知でしょうか。
14日の朝日新聞の記事によると、この児童書がまれに見る大ヒットとなっているとのこと。頭を打った熊が記憶を失い、大事な奥さんを探す話である。
なぜこの話が子どもたちを惹きつけているのだろうか。
この熊は、いわゆる恐妻家。そもそも頭を打ったのは奥さんが原因であり、奥さんの記憶はおぼろげになってしまう。しかし、奥さんと再会した時、熊は改めて奥さんを愛しく感じる。
この関係、現実の人間の世界でもありがちな夫婦の形ではないだろうか。だからこそ、子どもたちはこの話に親しみを持つのかもしれない。作者は「聞いてもらうにはオチが要る」と言っているが、現実を重ね合わせ、共感しやすい点もウケている理由の一つのように感じられる。
作者が言うように「きれいなままで終わらないのが人間」。子どもであっても、夢や架空の世界だけではなく、現実的な内容の本が増えているのかもしれない。
この本には表題作を含め、7つの動物のショートストーリーが収録されており、ユーモアと皮肉の独特な世界が広がっている。ひねくれたカラスがシラサギと友達になろうとする話や真面目な牡鹿が人生の意味に悩む話など、大人でも楽しめる話だ。おそらく、子どもと大人では感じ方が異なり、親子で感想を話してみても面白いかもしれない。この夏、親子で読んでみてはいかがですか。
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
独特で理解するが難しい気がするのですが…。子どもはわかっているのでしょうか。
我が家も熊の夫婦のように子どもの目に映っているのかなぁ・・・。
怖くても、熊は奥さんのことを愛しく思っている。皮肉だけでなく、その奥にある熊の愛に心温まる気がします。
収録されている他の話も結構、考えさせられました。その中の1つ、「いただきます」は今年の小さな童話大賞(毎日新聞社)に選ばれたものらしいですね。
なぜ子どもたちに人気なのかナゾです・・・。