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「話し合う・聞く・話す・書く」指導に苦慮―日本国語教育学会調査
kyoikujin
2007/8/25 掲載

 日本国語教育学会(国語教育の実践について学び合う会)が、第69回国語教育全国大会で、大会参加者を対象に、国語教育についてアンケート調査を実施した。国語力向上の動きが大きくなっている中で、国語教師たちがどのような意識で実践・研究に取り組んでいるのかという趣旨で行われ、約640人の会員が回答。国語教師の意識を刺激し、教育実践の活性化につなげることを目標としている。

 設問は「指導事項がうまくいっているか」「指導事項にどの程度力を入れているか」「これからの国語教育に必要な課題」で、それぞれの度合いを4段階で回答するようになっている。このほかに、自由記述などがある。その一部をご紹介する。

 設問「指導事項にどの程度力を入れているか」で、「特に力を入れて指導する」と考えられている上位4つは

話し合い 55.4%
聞くこと 48.0%
話すこと 40.2%
書くこと 40.1%

で、「特に力を入れて指導する」「これまでより少し力を入れて指導する」をあわせると、それぞれ90%前後の結果。
一方で、上記の指導がうまくいっている割合は

話し合うこと 1.6%
聞くこと 3.7%
話すこと 2.1%
書くこと 6.5%

と低い。話し合い、聞くこと、話すこと、書くことの指導が特に必要であると考えているものの、現実はうまくいっていない状況だと読み取ることができる。

 設問「これからの国語教育に必要な課題」で、「特に大事だ」と思う上位に、

思考力(論理・批判的)の育成 63.8%
コミュニケーション能力の育成 56.4%
言語表現力の育成 56.1%
話す・聞く、書く、読むの関連指導 50.6%

が含まれている。「特に大事だ」「少し大事にすべきだ」をあわせると、ほとんど90%を超えている。報告書にあるように、「思考力の育成」読むこととの関連、「コミュニケーション能力の育成」話し合うこと聞くこと書くこととの関連、「言語表現能力の育成」話すこと書くこととの関連が考えられる。それぞれが密接に関わっているようだ。

 先日、中央教育審議会が、「言語力」を全教科で育成していく方針を固めた。上述のように「言語表現能力の育成」は、話すこと、書くこととの関連があると考えられるのだが、このアンケートからは、現場の教師が思考錯誤している姿がうかがえる。

※報告書では校種別(小学校・中学校・高等学校)、年齢別による傾向の集計や、それぞれの設問の指導事項に対しての課題も示している。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/8/27 22:57:58
    「話すこと」ひとつとっても、授業として成立させるのは難しい気がする。しかし、必要な力であることは確かだ。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/8/27 23:33:41
    結構、今の若い人って饒舌な気はします。
    肝心なのは、好きなことではなく、求められていることを表現する能力でしょう。将来、社会にでて働いていくことを考えると。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/8/28 10:58:24
    こんなに時間数が多いのに、子どもたちの国語力が低下している指導力不足の現状を教員にはしっかり見つめてほしいです…。
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