学力テストは誰のため? 「指さし」発覚 校長処分
読売新聞などの報道によると、東京都足立区のある小学校で、都の学力テストにおいても校長主導で不正が行われていたことが判明した。同校は区のテストでの不正や障害のある児童らの成績を保護者に断りなく集計から外して問題になっていたが、その後の調査によって新たな不正が次々と明るみに出てしまった。校長は更迭され懲戒処分となる方針。
全国的に自治体単位の学力テストが行われているが、改めて学力テストの意義・活用法を問い直す声があがりそうだ。
今回発覚した不正は「指さし」。
指で解答を誘導する「指さし」は、7月9日のきょういくじん会議記事にもあるように、かつての全国学力テスト等でも行われたと言われている古典的な方法だ。同校ではこれ以外にも、禁止されている前年度テストのコピーを使った事前対策も行っていたという。学力テストがあるところ、不正は必ず起きるということだろうか。
同区は学校選択制を導入し、学力テスト結果が公表されている。
直接的にはそういったプレッシャー等が背景にあったことは否めないだろう。だがそれが言い訳にしかならないのは誰もが認めるところ。「だから学テはダメなんだ」「だから市場主義を教育に持ち込んじゃいけないんだ」というのは簡単だ。
学力テストは子どもたちの学力向上のために行う、というのはキレイゴトなのだろうか。学力テストも一つのツールにすぎない。新しい学力テスト時代の今、まさに良識的な現場の力と、教育委員会の健全な指導力が求められている。今回次々と出てきた不正はそのための警鐘だったのだと思いたい。
- 学力テスト対策「市教委が指示」 予想問題宿題に(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070820ur02.htm?from=goo - 区の学力テスト 保護者に無断で障害児の成績除外(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070708ur01.htm?from=goo
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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さすがに自分のクビかけてまでテストの点を上げようとは思いませんもん。
小学校では、テストの結果・点数にそれほど重きを置いていないはず。子どもが理解し、気付き、学力を身につけることが最も重要で、
通常の授業後のテストなどでは、「指さし」などをして子どもを励ましつつ、テストを行っていくということも珍しくありません。
資格検定試験や入学試験をやっているのと違うのですから。
それほど「不正、不正」と騒ぐような問題でしょうか。
テストの結果のみにとらわれ、教育の本来の目的を忘れて、
学力コンクール化してしまっているのは、
むしろ世論や報道のほうではないでしょうか。
でも学力テストはクラス内で実施する確認テストとは性格が違いますから。
足立区は結果公表+学校選択制のコンボが良くなかったですね。
多くの現場でそのように学力テストを実施しているから、子どもの学力が落ちるのでは?
大学入試や高校入試ではそんなことでは通らないという現実を知る意味でも、きちんと実施してほしいと思います。