どうなる? 沖縄の併設型特別支援学校
2日の琉球新報の記事によると、沖縄県教育委員会がろう学校と養護学校の合併を検討しているとのこと。これに対し、沖縄ろう学校PTAは学校存続の署名活動を行っている。聴覚障害と知的障害ではコミュニケーションのとり方をはじめ、教育の方法、内容も違うため、合併すれば教育の質、専門性が保たれない可能性があるという考えがあるからだ。
合併の背景には、4月の学校教育法改正があり、盲・ろう・養護学校は「特別支援学校」へ一本化され、併設が可能となった。しかし、文部科学省の校名変更状況をみると、「特別支援学校」と名前を変更したのはほとんどが養護学校で、多くのろう学校は、「ろう学校」のまま存続している。
また、同じく文部科学省の特別支援教育資料をみると、養護学校の増加とは対照的に、ろう学校数や在学者数は減少傾向にある。この流れでいけば今後、沖縄だけでなく、多くのろう学校が合併されることがあるかもしれない。現に、4日の毎日新聞の記事によると、愛媛では合併が大方決まったようだ。
沖縄県にろう学校はこの1校のみ。合併が決まれば、ろう学校での教育を希望する子どもたちは、必然的に合併した学校に行くことになるだろう。彼らに文部科学省の言う「児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するための適切な指導及び必要な支援」は保障されるのだろうか。簡単に合併に踏み切ってしまえば、現場の教師の負担だけが大きくなる可能性もある。慎重な検討とともに、聴覚障害児、知的障害児それぞれに適した環境づくりが求められていると言えそうだ。
- 特別支援教育に関すること(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm - 沖縄ろう学校が、知的障害との併設型特別支援学校に!(ろう・難聴教育研究会ホームページ)
http://www.deaf.or.jp/tc/07-08-09okinawa-deaf-school-2.pdf
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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合併しても、別々の教室にすれば、大丈夫なのでしょうか。