停学の措置、子どもにも保護者にもさらに厳しく―英国
9月4日のBBC NEWSによると、英国では、18歳未満の子どもが停学の処罰を受けた場合、はじめの5日間は自宅拘留とし、その監視を保護者に課す規則が、今週から施行される。きちんと自宅拘留がなされなかった場合、保護者には50ポンド(約1万円)の罰金が科され、子どもには学校での講習や学校・子ども・保護者による面談が義務づけられる。
今まで以上に厳しい管理体制の背景には、英国で数多く報告されている校内での暴力行為などがある。このような現状への改善策として、他人を尊重することや、感情コントロールの方法などを学校活動全体を通して教える体制・環境をつくろうとする政策、Seal (Social and Emotional Aspects of Learning) Programmeが着々と普及している。子どもの成長段階に合わせた様々な集会や活動が実施されているようだ。
すでに小学校で実践を行っている教師の間からは、「いじめやけんかが減少した」「相手の気持ちを考えるようになった」「特に男子児童が怒りなどの強い感情を抱いた時、暴力などの行動に出てしまう前に言葉で表現できるようになった」などの効果が報告されている。これまでに小学校の60%で取り入れられたこのプログラムは、この秋から中学校での実践が始まる。英国政府は、2011年にはすべての小中学校に導入することを目標としている。
停学の措置をより厳しくする一方で、そのような処罰を受ける可能性がある子どもをどう支援し、非行を未然に防ぐのかということも、大切な課題として対策が進められているようだ。この英国の試みによりどのような成果が見られるのか、注目したい。
- NEW POWERS FOR HEADTEACHERS TO TACKLE POOR BEHAVIOUR – PARENTS RESPONSIBLE FOR KEEPING EXCLUDED CHILDREN OFF THE STREETS (Department for Children, Schools and Families)
http://www.dcsf.gov.uk/pns/DisplayPN.cgi?pn_id=2007_0154 - The Social and Emotional Aspects of Learning (Teachernet)
http://www.teachernet.gov.uk/teachingandlearning/socialandpastoral/sebs1/seal/ - Pupils to get lessons in respect (BBC NEWS)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/education/6274736.stm
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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停学くらってやること無くなり、町を闊歩してさらなる非行に走る・・・。
政府としてようやく悪循環を断ち切ろうとしているみたいですね。
にしても、イギリスの学校って停学乱発しすぎ!?
それ程までに悪ガキが多いんでしょうかねぇ。
権限を拡大して、停学という処分(選択肢)を選ぶことは簡単ですが、
ケアやフォローの体制がしっかりとしていない限り、問題を切り捨てるだけになりそうな気がします。
共働きの場合、どうするんだろ。
親はそんなことになったら大変だし、非行少年でも流石に親の仕事にまで迷惑かけたくはないでしょうから、抑止力はかなりありそうですね。