縄文時代が“復活”―「小学校社会科」文科省案
12日付の毎日新聞の記事によると、文部科学省は次期学習指導要領の小学校社会科(歴史)の始まりの時期について、現行の弥生時代ごろから変更し、縄文時代ごろからとする方針を決めた。
1998年に改訂された現行の社会科学習指導要領では「指導内容の精選」の観点から、「農耕の始まり、古墳について調べ」という文言から逸脱しないよう、農耕以前については基本内容として扱わないようになった。教科書の記述もそれにそって「国づくりへの歩み 米づくりが始まる」「米づくりのむらから古墳のくにへ」など、弥生時代から歴史が始まる形に変わっていた。
改訂前には、縄文時代に見られる「土偶」「縄目のついた縄文式土器」「貝塚」などは、今現在あるものとは全く違う“異質なもの”として子どもの目に写ることから、“はるか昔”を想起させる資料として、現場の授業で取り上げられることも多かった。また、縄文時代と言えば一昔前は「狩猟をし、竪穴式住居に住んでいた」といったイメージであったが、平成5年に三内丸山遺跡から、直径1メートル以上もある栗の木でできた大きな建造物の土台、人工の栗林の跡(植林されたもの)が発見されるなど、それまでの縄文時代のイメージをくつがえすような発見が次々とされている。これらの遺跡は子どもの想像力をかきたて、興味をひきつける格好の題材になるだろう。
教科書では2003年に追加された“発展的な内容”として縄文時代を取り上げる記述が見られるようになっていたが、今回の決定を受け、現場で「土偶」「貝塚」を扱った授業が“復活”しそうだ。
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
実は縄文時代に稲作が始まっていたようですし、最近ではそう単純に区分できないようですが・・・。