東京の子ども「勉強の役立ち感」最低―国際6都市調査
「何のために勉強するの?」と質問されたら、何と答えますか?
ベネッセ教育研究開発センターが昨年から今年にかけて世界6都市における小学生を対象に行なった「学習基本調査・国際6都市調査」によると、諸外国の都市に比べて東京では「勉強が将来に役に立つ」と考える小学生が少ないとのこと。これは、23日の毎日新聞の記事でも紹介されています。
いまや難関校を卒業したからといって、必ずしも将来が保障されているというわけではない状況があります。終身雇用制は崩れ、必死に働いても会社が倒産したり、リストラにあったりする大人を目の当たりにしている子どももいるかもしれません。調査結果にあるように、「一流の会社に入るために(勉強がとても役立つ)」と考える子どもの割合は30%、「出世するために(勉強がとても役立つ)」では29.5%と諸外国の中で最低になったのも、このような環境では仕方のないことなのかもしれません。
さらに大学全入時代に入り、この傾向は強くなっていくとの見方もできます。現に23日の産経新聞の記事では、大学進学者の勉強不足、意欲の低下が指摘されています。少子化により、誰でも大学に入れるようになれば、「勉強しなくてもいい」と考える子は多くなるかもしれません。
勉強することに意義を見出せない子どもたち。この調査では学習時間において二極化が進んでいることも明らかとなり、学校での学習指導はますます困難になることも予想されます。
なぜ勉強するのか―文部科学省が推進しているキャリア教育で、その目的を考えさせる取り組みも行われているようですが、このような勉強の意義を見出す教育は今後ますます求められると言えそうです。
- 私大一般入試組、半数割る(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070926ur01.htm
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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なぜ勉強するかの答えは1つじゃないし、教科のように教えられるものじゃない。だから、勉強の意義を見出す教育って難しいと思う。
日本はある意味、満たされている現状なのかも…。
そうですね。働かなくても勉強しなくてもある程度は食えてしまうという豊かさがある一方で、総中流社会が崩壊して、頑張っても成功する保証がなく、チャレンジする前から不安や徒労感が先立ってしまう。
ニートが「働いたら負け」と言っているのと根っこは同じでしょうかね。
って、別に誰も「できない」とは言っていませんけどね。。。
このタイトルと文面を見て2つ感じました。
1つは「何故、日本人って(世界学力ランキング調査?のように)他人の成績や批評を気にするのかな?」、もう1つは「ベネッセは日本人の心配性を煽って商売するのがウマイな」です。
小職は学校教育を否定も肯定もしません。全ての生徒が教師や政府の満足する成績や価値観を備えるはずはあり得ないし、満たしたから将来幸せになる補償は無いからです。
但し、勉強したい生徒が(立場の強い人の都合で)勉強できない世の中だけにはして欲しくありません。
勉強とは一生のものであり、人生を勝ち抜く選択肢を増やす手段に過ぎないと思います。
2を書き込みなさった「勉強の楽しさ」は様々な受け止め方が出来ると思います。
小職は「勉強やスポーツが出来ると学校で居心地がよい」と実感してきました。また良い悪いは抜きにして、「勉強やスポーツが出来れば、金がいらない」現実も10代で知りました。
机上の学問は実際の人生の荒波にあまり役立った実感はありません。強いて言えば、勉強したから同レベルの仲間と知り合えた事です。
(話がそれますが、高校数学の行列式、等差数列などは暗号解読や高射砲射撃に活用出来た時は驚きました)
従って、小職は「勉強が・・・」よりも、ベネッセ(旧福武だっけ?)の企画力をさすが(えげつない)と実感しています。
それを変えて、勉強の楽しさや着眼点の付け方や実生活や人間心理を絡めて刮目させて下さったのは、防衛大学校「課外講演」(毎月1回土曜午後に各界著名人を招待し全学生が拝聴する)の作家の長谷川慶太郎先生の訓話でした。
「…日本人は勤勉な民族でそれゆえに戦後奇跡の復興を遂げたと言われてますが、それは迷信です。戦前戦後の日本と欧米企業の無断欠勤率を比較して、日本人は勤勉な民族とは言えません。…日本人の無断欠勤率が戦前に比べて減ったのは、給料支払い方法が締め日支払日が固まった事など制度によるものです。皆さん、一般に言われている通説やデータの一部を見て判断するのではなく、時間や空間を変えて見る力をつけて下さい。…」
この長谷川慶太郎先生の話で私は刮目しました。また大学校の先生(民間人)は勉強の楽しさ、実生活で使う場面、知らないで失敗した実話などナマの勉強を教えて下さり、小職は感謝しています。
教官の話によると、防衛大の場所と先生は、故吉田茂首相が直々に決めたそうです。