2007年度のグッドデザイン賞が発表されました。
「グッドデザイン大賞」にキッザニアがノミネートされたのを始めとして、教育関係のアイテムも多数受賞しました。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞の審査基準は以下の通り。
- 良いデザインであるか
- 優れたデザインであるか
- 未来を拓くデザインであるか
上記の階層以下に細かな項目が定められており、それに沿って審査が行われます。今年度のグッドデザイン大賞は10月25日の公開プレゼンテーションを通じて決定されますが、候補には「新幹線N700系」や任天堂のゲーム機「wii」、仮想現実空間「セカンドライフ」など社会的に話題になったアイテムのほか、教育系では「キッザニア東京」が挙がっています。
大賞以外の賞は決定しており、教育関係で受賞したものの一部をご紹介します。
「新聞ブログ」
(コミュニケーションデザイン部門)
読売新聞の記事でも紹介された「新聞ブログ」とは、小学生でも簡単に学級新聞ができるソフトです。中央大学総合政策学部研究室とシックス・アパート株式会社が共同開発しました。項目に合わせて写真や動画を指定し、記事を入力していくだけですぐに新聞風のレイアウトができ、インターネット上での公開やプリントアウトができるようになっています。
2007年3月に、沖縄県内の2つの小学校で、この『新聞ブログ』を使った実証実験を行いました。その結果、実験の前後で、小学生たちの「新聞への好意度」「新聞購読意欲」「新聞の必要性の認識」「地域再発見への意欲」「記事執筆の効力感」などが有意に上昇することがわかりました。
と、効果も実証済みです。
「シブヤ大学」
(新領域デザイン部門)
こちらは優れたデザインコンセプトが評価されての受賞です。NPO法人「シブヤ大学」とは、特定の校舎を持たず、渋谷の街全体を教室とし、さまざまな分野の人材を教師として生涯学習をしようというものです。
区内の小中学校からの要望を受け、企業とのコラボレーション授業も行っています。このような新しい社会システムの提案がほかの街で行われるようになる日も近いかも知れませんね。
「入院患児のための手術用プレパレーション用絵本」
(中小企業庁長官特別賞 )
プレパレーションとは日本語では「心の準備」と訳され、子どもに対してあらかじめ分かりやすく説明を行うことにより、病気や入院、手術への不安を和らげようというものです。このプレパレーションのための絵本は子どもたちに分かりやすいように3DCGを用いており、その有効性もすでに実証済みだそうです。CGというと無機質な印象を受けますが、こちらは非常に温かみのあるイラストになっています。
携帯型顕微鏡「ファーブル」
(ロングライフデザイン賞)
理科の先生に是非チェックしていただきたいのがこちらの携帯型顕微鏡。1996年にグッドデザイン賞を受賞しましたが、「受賞後10年以上継続して製造・販売している商品で、今日なおデザインが優れているもの」という基準を満たし、今回ロングライフデザイン賞を受賞しました。携帯性に優れており、その場ですぐに昆虫・植物などを見られる点が評価されました。双眼式なので、ルーペや虫眼鏡と違って立体的に見ることが可能です。
グッドデザイン、グッドエデュケーション
グッドデザイン賞の目的は、デザインを通じた産業振興というイメージが強いですが、そのほかに「私たちの生活をより豊かにすること」が掲げられています。
今回紹介した受賞作ばかりでなく、使い手に配慮してデザインされた製品やサービスが、これからの教育をより豊かにしていくことを願ってやみません。
- 将来のニートが減る? 各地で本格的な職業体験(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070181 - セカンドライフで授業を公開―慶大と電通共同プロジェクト(きょういくじん会議)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070177
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子どもは手順が分かってしまっても怖がる気がしますが…。