今年の大河ドラマ、『風林火山』のストーリーも佳境に入ってきている。大河ドラマで取り上げられる題材は様々だが、その集客効果は大きなものがあり、関連地域の観光課などでは、歴史スポットをもっと知ってもらおう、と工夫をこらしている。
大河ドラマで取り上げられる地域では、放映中は著しい集客効果が見られ、平成15年の『武蔵 MUSASHI』放送時には、同年に開館した巌流島などの歴史シーンの人形・資料による再現もある観光ミュージアム・海峡ドラマシップなどとの相乗効果もあり、関門海峡一帯の経済効果は約150億円とも言われた。
今年の『風林火山』においても、放映にあわせて関連地域でPR活動を展開。山梨県北杜市では、ロケ地ともなった風林火山館を、撮影日を除いて無休で公開。長野市では信州・風林火山特設サイトを開設し、11月には関連史跡を歩く風林火山ウォーキングを開催予定だ。今まで“湖衣姫”(新田次郎著『武田信玄』による)としていた勝頼生母の名前もドラマにあわせて“由布姫”(井上靖著『風林火山』による)と変更・併記にするなど、大河ドラマにあわせた紹介を行っている。
同様に、毎年、新潟県上越市で開催されている「謙信公祭」では通常はお盆期間中の15・16日に行われていたものを、2007年度は集客増員を見込んで土日に変更。大河ドラマ内で上杉謙信を演じているGacktが参加した効果もあり、2日間行われた祭りの集客は約18万人と、前年比で4倍以上に達した。さらに新潟県では平成21年の大河ドラマが『天地人』に決まったこともあり、南魚沼市では早速主人公の直江兼続の電子ブックを作成するなど、紹介を始めている。
2008年の大河ドラマは、『篤姫』。鹿児島市では来年1月にも『篤姫館』を開設する予定で、今後、地域PRが本格化しそうだ。
大河ドラマをきっかけに訪れる観光客にとっては、よりその地域を知るよい機会でもあり、地域起こしという点で重要な役割を果たしているが、大河ドラマ放映終了後にいかにその人気を継続するか、ということも課題として挙げられている。
大河ドラマの題材には歴史に大きな役割を果たした人物・事象が取り上げられることも多く、それらの地域の紹介は、社会科授業等における教材化に格好の材料とも言える。また、世間一般には知られていなかった人物・地域の紹介が、“歴史好き”な子どもを増やすきっかけにもなるだろう。
- 「風林火山」集客に期待 高島城の冠木橋改修工事始まる(長野日報)
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=5220 - 長野県内の『風林火山』放映による経済効果等【試算】(PDF、日本銀行長野支店)
http://www3.boj.or.jp/matsumoto/toku/fuurinkazan.pdf - NHK大河ドラマ「篤姫」商標登録 使用料に地元から大ブーイング(j-cast)
http://www.j-cast.com/2007/07/20009510.html - 大河ドラマ「毛利元就」の地域に及ぼす効果に関する調査報告書(CRRC)
http://www.crrc.or.jp/publication/log/1998/01/0120.html - 大河ドラマを活かした観光活性化策(PDF・日本政策投資銀行北陸支店)
http://www.dbj.go.jp/hokuriku/report/pdf/0012h.pdf
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幕末ものは低視聴率とか主役には若者が好む俳優を抜擢するとか。
小職は『炎立つ』(奥州藤原氏)とか『風と雲と虹と』(平将門、藤原純友)、『太平記』が好きでした。
原作の小説が限られているせいか、ストーリーに偏りもあるので、
マイナーな歴史人物も取り上げて欲しいです。
根性なしの私には年末年始の長編歴史ドラマぐらいが丁度いいです。
昔は上杉謙信や明智光秀のような天才型や禁欲型や好きでしたが、
大河ドラマを見て、尼子経久や武田信玄のような「辛い思いをした陰険な秀才」を好きになりました。
どうも幕末〜近現代史は先生にはしょって教えられたイメージがあります。調べてみると、結構面白いんですけどね。