76歳の博士誕生! 名古屋大学大学院
24日の読売新聞の記事によると、愛知県の森井敏晴さん(76歳)が、名古屋大学大学院文学研究科の博士号を取得したとのこと。これまでの名大の博士号取得最高齢記録は72歳で、それを4歳上回る博士の誕生となった。
まず、76歳で博士論文を書き上げたこと自体、頭の下がる思いだが、それ以上に立派だと思うのは大学院に通って学位を取得したこと。
博士号をとるのに大学院(博士課程)に通うのは当たり前ではないか、とお思いの方に少し補足すると、日本の博士制度には大学院の教育課程を修了し、研究論文を大学に提出して取得する「課程博士」と、大学院の教育課程には関係なく、研究論文を大学に提出して取得する「論文博士」の2種類がある。
このうち「論文博士」は、日本独自の制度ともいわれ、2005年の中央教育審議会において、将来廃止する方向で検討された。
ちなみに「論文博士」では、大学教授などが自分の研究者人生の集大成として論文をまとめ、それによって博士号を取得するという例も多かった。
今回の森井さんは、「課程博士」。孫にあたる年齢の学生らと机を並べ、研究を重ねたという。
2005年の文部科学省の調査によると、修業年限内に博士号を得た学生の割合は、森井さんの分野である人文科学の場合、わずか7.1%(読売新聞記事より)。文系の「課程博士」の取得がいかに難しいかを示すデータといえよう。
24日の記事によると森井さんは、
「これから高齢者が増え続ける。のんびり過ごすのもいいが、それぞれの経験を後世に残すことも必要ではないか」
と話しているという。
より多くの元気なおじいちゃん・おばあちゃんの登場に期待したいところだ。
- 読売新聞記事 「論文博士」廃止を、大学院改革で中教審
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050614ur02.htm?from=goo
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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こういう元気なお年寄りがたくさんいる高齢化社会なら楽しそうです。
元々、京都で学生結婚して大学を中退し、子育てをして、大学に入り直し、院生の時に子供の大学受験と論文を書き上げた女性でした。
年齢はまだ30代ですが、そうした苦労しながら博士になった人が働く環境が整備されていないと痛感します。
歳いった人に「凄いですね」と称賛する気持ちも理解できますが、子育てしながら苦労して博士号とっても、
称賛どころか満足な仕事も無い社会に呆れてしまいます。
大学教授の終身雇用制やめたら?といってみる。