きょういくじん会議
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ハロウィンは1年の始まり―身近な異文化を知ろう!
kyoikujin
2007/11/3 掲載

 子どもたちの英会話教室などでよく取り入れられているハロウィン。日本でも仮装大会を開いたり、ご近所同士お菓子を配ったりする地区が増えていますが、米国では子どもの健康への影響に対する懸念も広がっているようです。文化の日の今日は、身近になった異文化のひとつ、ハロウィンの意味を振り返ってみましょう。

どうして仮装をするの?

 古代ケルト人の文化では、現代よりもひと足早く、11月1日が1年の始まり。前日に行われた収穫祭の夜は、この世と霊界を閉ざす門が開き、死者の霊や悪霊がこの世を歩き回ると信じられていました。そこで人々は、怖い顔を彫ったカボチャのランプ(Jack-O'-lantern)を玄関先に置いて悪霊を追い払い、それらの霊と同じ様な格好をして、悪さをされないように身を守ろうとしたのですね。アイルランドでは今でもこの日は祝日で学校もお休み。みんなで仮装などをしてハロウィンを祝うそうです。
 日本でも近年、子どもも参加できる仮装大会などが各地で開かれています。そこには魔女や妖精、ドラキュラなどに紛れて、小さなスパイダーマンやジャック船長の姿も…。日本では特に、アニメやマンガのキャラクターが人気だとか。こうした現代風の仮装は、うまく悪霊たちをごまかすことができているのでしょうか?

どうして子どもたちはお菓子がもらえるの?

 子どもたちにとってハロウィンの楽しみと言えば、近所を練り歩くとJack-O'-lanternいっぱいにもらえるお菓子。実はこの風習、もとはケルト人が霊にお供え物をしていたのをキリスト教徒が受け継ぎ、無事に天国にたどり着きますようにと祈りながら、亡くなった親類の霊に捧げる食べ物とワインを村々を巡って集めたことに由来しています。
 最近は子どもをターゲットにした商戦の激化もあり、11月のThanksgiving、12月のクリスマスを控えホリデーシーズンを迎えた米国では特に、子どもの健康に対する懸念が広がっています。30日のロイターによると、米国で行われた調査では人口の約75%が2,300円ほどをハロウィンお菓子に費やしているとのこと。専門家たちも家庭で子どもの肥満や虫歯などに注意するよう呼びかけています。

 ハロウィンのように子どもを巻き込み、地域ぐるみで取り組める異文化や季節の行事は、最近希薄になっているご近所同士や地域のつながりを深めてくれるかもしれません。仮装お菓子など楽しさばかりを求めてしまうのではなく、本来の意味を知ることで、命の大切さや子どもが育つ環境を改めて考えるきっかけになるといいですね。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
10件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/11/5 12:58:15
    ほんと最近では幼稚園から子ども向けの英会話教室まで、
    ハロウィンパーティー開いてますね〜。
    知り合いが衣装を考えるのに大変な思いをしたと言ってました。
    ハロウィン当日は街中で仮装している人達を何人か見かけましたが、
    日本ではまだまだ浮いた存在なんでしょうか、
    思わずビックリしてジロジロ見てしまいましたよ。
    日本ではハロウィンとはいえど、「仮装=コスプレ」で、
    お世辞にもコスプレ自体の社会的なイメージが良くはないので、
    いまいちハロウィンでの仮装もマイナー?
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/11/5 13:58:25
    ハロウィンらしい格好しないと仮装にも意味がないと思うのですが、コスプレと勘違いしている若者、多いですね。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/11/5 16:25:47
    最近のハロウィンのプッシュは異常じゃないですか?
    実際に定着してきている面もあるんでしょうが、電通が無理矢理流行らそうとしているだけではないかという気も・・・。
    そういえば、電通が異様にプッシュしてたセカンドライフ、最近聞かなくなりましたね・・・。
    • 4
    • 名無しさん
    • 2007/11/5 17:08:59
    >それらの霊と同じ様な格好をして、悪さをされないように身を守ろうと>したのですね。

    ってことはナースとか制服系のコスプレは意味無いのね・・・。
    まぁ個人的には嫌いじゃないからいいけどさ〜。
    • 5
    • 名無しさん
    • 2007/11/6 8:50:53
    >3
    宗教的バックボーンが一切ないのに、しっかり定着しちゃうのが日本ですよね。
    秋はイベントが少ないから、小売業界はセールスチャンスが増えて助かっているそうです。
    • 6
    • 名無しさん
    • 2007/11/6 9:29:59
    指導要領が伝統文化重視になったところで、この風潮は改まりそうもないですね・・・。
    • 7
    • 名無しさん
    • 2007/11/7 8:59:25
    ハロウィンには宗教的な要素があるから、アメリカでは公立の学校で全面的に取り入れるのはどうかという話によくなると聞きましたが、知り合いの子どもが通う小学校では仮装パレードがあり、希望制でもほとんどの子どもが参加したそうです。
    • 8
    • 名無しさん
    • 2007/11/10 13:06:32
    私」の子ども2年生女の子は、「七五三」よりもハロウィンに興味がありました。インターネット等で由来や意味を話してみたら、教室でも友達とその話題になったときに、「それはね。○○ということらしいよ。」なんて話せたそうです。子どもが興味を示した時に、その由来などを話すことはいいことなんだと思いました。
    • 9
    • 名無しさん
    • 2007/11/11 16:51:41
    異文化を理解することはいいと思いますが、
    実践しなくてもいいのでは、と思ってしまいます。
    ハロウィンも、いつかクリスマスやバレンタインデーの
    ように定着してしまうんでしょうか。
    子どもには自国の文化の理解を深めさせたいです。


    • 10
    • 名無しさん
    • 2007/11/12 17:45:07
    ハロウィンが終わったと思ったらクリスマスに年末年始、バレンタイン、ホワイトデーと続く訳ですが、みなさんいい加減イベント疲れしないですか・・・?
    しかもこうやって並べると、日本独自のは年末年始だけですね・・・。
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