きょういくじん会議
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保健の先生大活躍―児童生徒の心の悩み
kyoikujin
2007/11/11 掲載

 10月18日の産経新聞によると、学校の保健室で、養護教諭に心の悩みを相談する児童生徒が増えているとのこと。小中高校とも10年前までは、心の悩みで保健室を利用する割合は利用者全体の10%前後だったが、平成18年では40%以上になっているようだ。

 学校保健の変遷(文部科学省)によると、養護教諭のはじまりは、明治時代に学校看護婦が配置されたことである。昭和時代に、職務の内容を治療補充側面より教育指導面に重点を置くことになった。平成に入り、保健主事制度の改正や兼職発令により、養護教諭が教科保健を担当する可能性も出て来た。養護教諭として教育的な関与の機会がより増えてきているようだ。

 つまり、戦後は衛生面や健康面での指導が主だったと考えられるが、今日では、児童生徒の心の健康に関する指導も求められているのだ。養護教諭中央研修会(文部科学省)には、「養護教諭は、児童生徒の身体的不調や心の健康問題のサインに気づくことができる立場にあり、児童生徒の現代的課題の深刻化を踏まえて、その役割がより重要となっている。」とある。

 実際に養護教諭の負担は増えているのだろうか。養護教諭の配置について(文部科学省)では、「保健室に来室する児童生徒の抱えている問題の複雑・多様化や保健室登校の増加により、一人当たりの対応に従来より多くの時間が必要となっている。」と述べられ、養護教諭の複数配置の要望も出ている。また、同資料では、保健室登校で養護教諭がかかわり、教室へ復帰した児童生徒の割合は全体で44%と報告されている。養護教諭は不登校問題に対しても、大きな役割を担っているのだ。

 保健室は児童生徒の憩いの場であったり、児童生徒を包み込むような養護教諭が多いだろうと考えられるが、養護教諭はカウンセラーではない。心の悩みで保健室を利用する児童生徒が増えている中、養護教諭1人で担えなくなることも予想できる。スクールカウンセラーの効果(文部科学省)が出ているという報告もあるが、より身近な養護教諭の方が相談しやすいこともあるだろう。養護教諭が児童生徒に対して大きな役割を担っているからこそ、より良い環境で向き合えるような整備が必要ではないだろうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/11/13 12:48:01
    うちの学校の養護教諭は病欠が多いのですが、ストレスでしょうか…。

    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/11/14 12:44:13
    >1
    養護教諭もストレスだったら、学校内は大変ですね…。
    教師のストレスも、児童生徒のストレスも増えているというのに。
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