きょういくじん会議
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乳幼児にタミフルは大丈夫? 早めのインフルエンザ予防を
kyoikujin
2007/11/10 掲載

 立冬が過ぎ、暦の上では冬になりました。季節の変わり目で風邪をひきやすい時期です。免疫力が弱っているときに、怖いのがインフルエンザ。毎年、11月くらいからインフルエンザにかかる人が出はじめ、12月あたりからその人口が増えるのだそうです。東京都では、すでに学級閉鎖や学年閉鎖をする学校も出てきていますが、みなさん予防接種はもう済ませたでしょうか?

 さて、インフルエンザと聞いて思い出すのが、治療薬とされているタミフルを飲んだ10代に、ベランダから転落したりとび降りたりといった異常行動が見られたという事件。
 9月29日の朝日新聞の記事によると、米ワシントン大学の和泉幸俊教授らのラットを使った実験では、タミフルに脳細胞を興奮させる作用があることが明らかになったそうです。厚生労働省ではタミフルと転落、とび降りなどの異常行動との因果関係は未だ不明としていますが、今年3月に10代のタミフル利用を原則的に控えるよう指示 をしています。これを受けて中外製薬も、今月5日にタミフルの今シーズンの供給計画では昨年の半分の600万人分にすると発表しています。

 10代はタミフルが服用できないとすると、治療はどうするのでしょうか?また、10歳未満ならタミフルを服用しても平気なのでしょうか?
 タミフルに代わる治療薬としては、医師の説明が必要で普及率は低いですが「リレンザ」という吸入式の治療薬があり、タミフルと同様にA、B型のインフルエンザに効果があるそうです。また、第一三共株式会社は開発中の吸入型インフルエンザ治療薬の効果を確かめる臨床試験を今月から始めるようです。
 インフルエンザにかかったときには、もちろん薬を飲まないという選択肢もあります。薬の影響が心配なら自然の治癒力に任せるのもいいのかもしれません。
 しかし、乳幼児がインフルエンザにかかると、インフルエンザ脳症などを併発することもあるので、これには要注意。やはり薬に頼らざるを得ない場合もあるようです。この年代のインフルエンザによる死亡数は他の年代に比べて高いため、10歳未満の子どもには、異常行動の発現のおそれがあることなどを説明すればタミフルを処方することができるそうです。

 何にせよ、治療薬を使う前にインフルエンザにはかからないことが一番。そのためにも予防することが必要です。まだの方は、予防接種を受けられてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/11/12 17:16:13
    タミフルも何年かしたら薬害認定されて、厚労省涙目ってパターンじゃないでしょうか?

    厚労省は、薬害エイズやら肝炎やら年金やら、歴史に残るような不祥事だらけですよね。
    不祥事以外でも企業ではサビ残に代表されるような労基法違反がまかり通ってるし、派遣などのワーキングプアが大量発生。医薬品の認可も遅いし少ない、医療体制もズタズタ。
    これだけあからさまに財界のことしか考えていない役所も珍しいんじゃないでしょうか。
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