きょういくじん会議
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日本語力が中学生レベル―大学生向けeラーニングの普及へ
kyoikujin
2007/11/22 掲載

 近頃、大学生の質が問題となっていますが、12日の千葉日報の記事によると、メディア教育開発センター(NIME)の調査で、日本語力が中学生レベルの大学生が急増しているという結果になったそうです。日本語力の落ちている学生が増えたことで、講義が成立しないとの大学の悩みを受け、NIMEは「オンライン学習・大学ネットワーク」(鈴木恒雄会長・金沢大学教授)を設立、107の大学が参加しています。

 調査は同センターの小野博教授が、全国の大学生46000人を対象に実施。日本語力が中学生レベルの学生が、国公立大学で6%、私立大学で20%、短大では35%もの割合でいるという結果がでたそうです。

 「オンライン学習・大学ネットワーク」では、各大学で開発したオンライン学習(eラーニング)のためのパソコンで自習できるソフトを、参加大学で共有できるようにします。eラーニングを実施する大学は近年増えつつあるようですが、大学単体でオンライン学習のシステムを構築するにはコストや人手がかかっていました。参加大学で共有することで多くの学部への普及を目指します。
 NIMEのホームページではeラーニングについて、学生の予習復習時間の増加、教員の負担軽減、大学入学前教育やリメディアル(学力補償)教育に向いていることなどをメリットとして挙げています。eラーニングでは指導する先生が学生の学習履歴を見て、学生が自宅で勉強しているかどうかを把握することもできます。また、学生のニーズや学力レベルが一定ではなくなっているなか、eラーニングは学生一人ひとりに合った教育が可能になるとしています。
 同時に、単位を取得できないと学生はeラーニングで学習しない、学習者の支援体制づくりに費用がかかる、教育効果が理解されていないといった問題点もあるようです。NIMEは、大学の教職員を対象としたeラーニングの導入方法や制作などのセミナーを多く行っています。

 日本語力が中学生レベルで、大学に入学できるという事実に驚かされますが、NIMEはこれを大学全入時代の影響とみているようです。18日の共同通信のニュースによると、大学生は、自分で勉強するより必要なことはすべて授業で扱ってほしいと考え、授業では学問の基礎を重視しているという調査結果も出ているようです。これまでの高等教育機関としての大学の姿が変わりつつあるようです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/11/27 8:58:06
    高校の国語ができてないってことですよね…。大学入試は一体何を見ているんでしょう…。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/11/27 9:02:36
    大学の教員が自宅学習のチェックって…
    自習しないせいで授業が分からないのだったら、単位をあげなければいいだけの話しではないの?
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/11/27 9:05:21
    >2
    と思います。義務教育じゃないんだし。
    退学されると授業料が減るから困るんですかね。
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