ベルトコンベアで運ばれていく大量のヒヨコ。殺され、解体されていく牛や豚・・・これは以前の議題でもお伝えしたドキュメンタリー映画「いのちの食べかた」に出てくるシーンです。残酷とも言える食料生産の事実が話題をよんでおり、渋谷の映画館ではロングランとなりました。12歳未満の子どもの鑑賞は保護者同伴が適当とするPG-12指定を受けていますが、子どもに見せたいと考える保護者もいるようです。
この映画のように“いのち”と“食”の大切さを教えるものとして、学校現場では1980年に行われた鳥山敏子先生の「にわとりを殺して食べる授業」が知られています。子どもたちがにわとりと仲良く遊んだ後に、そのにわとりを殺して食べるというものです。2001年には、秋田県の雄物川町立雄物川北小学校で同じような実践が計画されましたが、保護者からの批判が相次ぎ、中止となりました。
食べるためだけでなく理科での解剖も含め、授業で生き物のいのちを奪うことには「子どもには残酷である」または「命の尊さを実感できる」など賛否両論があるようです。
11月に中央教育審議会が公表した「審議のまとめ(PDF)」では、食育に関する事項の中で「食物を大事にし、食物の生産等にかかわる人々へ感謝する心」が「望ましい食習慣の形成」と並んであげられています。しかし、食育については、バランスのとれた食事や各地域の食文化などが注目されており、私たちのもとに食べ物が届くまでの工程に目を向けることは少ないように感じます。
外食産業が発達し、店に行けばいつでもどこでも食べられる環境で、子どもたちは「食べる=いのちをいただいている」ということを実感するのは難しいかもしれません。魚はスーパーで売っている切り身の状態で泳いでいると考えている子どももいるとか・・・。
いのちを食べているという忘れられがちなこの事実、皆さんは子どもたちにどのように伝えますか。
- 「いのちの食べかた」「工場」で作られる「食」のドキュメンタリー(毎日新聞)
http://mainichi.jp/enta/cinema/review/news/20071122org00m200028000c.html
とても衝撃的でした。
子どもたちには、残酷すぎるかもしれません。