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ケータイ小説が上位3位を独占―2007年ベストセラー
kyoikujin oec
2007/12/13 掲載

 5日、トーハンによる2007年の年間ベストセラーが発表されました。
 文芸部門の上位3位を「ケータイ小説」の書籍が独占したことが、波紋を投げかけています。

ケータイ小説とは

 「ケータイ小説」とは、携帯電話サイトで閲覧・執筆される小説を総称した言葉です。主に10代から20代の女性が購読しており、同世代のアマチュア作家たちの投稿作品が掲載されているのが従来の出版物との大きな違いです。代表的なサイトとしては「魔法のiらんど」の「魔法の図書館」などがあります。
 今回のベストセラーで文芸部門1位の「恋空」は、2006年10月に発売され、たったひと月で100万部を突破したダブルミリオンセラー。今年11月に映画化され、公開ひと月余りで興行収入30億を突破しています。

ケータイ小説、賛否両論

 ケータイ小説は文学性に乏しいという意見が多く見られます。根拠は、心情の掘り下げや情景描写が欠けていること、構成・展開に無理が見られること、安易な性描写・暴力描写が多いこと、また、誤字脱字や文法上の不備が少なくないことなどが挙げられます。
 ケータイ小説がベストセラーとなったのには、本に興味のない女子中・高生という新しい市場を開拓したことが大きいでしょう。ですが、「文学的に評価されること」と「市場で売れること」とは、必ずしも相関性があるとは限らないとして、ケータイ小説は文学ではなく、一過性の大衆文化に過ぎないと捉える人たちもいるようです。
 一方で、作家・評論家の猪瀬直樹氏は日経BPネットのコラムで「ケータイ小説は、近代日本文学の伝統の流れの延長に位置するものなのだ」と述べています。女学生による作品が広く読者の支持を集めるという現象は明治時代にも起きており、私小説の発生に影響を与えたといいます。

日本文学はどこへ?

 モバイルリサーチによる高校生のケータイ利用実態調査によると、全体で37.4%、女子だけならば53%もの高校生がケータイ小説を読んでいるそうです。
 中高年層からは特にケータイ小説には否定的な意見が多いですが、中学・高校生からは圧倒的な支持を受けていることは事実です。「ケータイ小説って何だ、ケッタイ小説か」と足蹴にせず、一度読んでみると「今の子どもたち」が見えてくるかもしれません。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
5件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/12/14 9:03:01
    単行本から、携帯ができる文庫に小説の主流が移っていることも(単価が安いため)出版社からすれば大きな痛手でしょうが、さらに携帯電話に移行している現状は、頭が痛いでしょうね。逆に携帯小説から単行本になっているものもありますけど、それにはあまり購買力をそそられないのは私だけでしょうか。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/12/14 17:39:17
    少し読んでみましたが、中身が薄くてとても読んでいられませんでした。
    なんというか、今の子たちは精神構造が違う気がして怖いです。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/12/17 14:26:12
    書籍化されたケータイ小説を立ち読みしてみましたが、誤字脱字やおかしな文章の多さにびっくりしました。編集者が校正しないで、原文のまま書籍化しているのでしょうか・・・。
    • 4
    • 名無しさん
    • 2007/12/17 21:33:46
    従来の小説と同じ目線で考えるのではなく、全く新しいジャンルとして捉えてもいいのではないでしょうか。
    文体も、表現の稚拙さも目立ちますが、口語で書かれているため、リアリティがあります。

    本好きという方にはとても受けるような内容ではないとは思いますが、一度、違う目線で読んでみてもいいんじゃないかなぁと思いました。
    • 5
    • 名無しさん
    • 2007/12/25 9:23:35
    携帯小説の表現手法の是非はさておき、内容的にはレイプ、妊娠、ドラッグなどが頻出するそうで、R指定した方が良いのではと思います。
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