きょういくじん会議
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100冊中12冊がケータイ小説―10代が薦める本
kyoikujin
2007/12/18 掲載

 6日の毎日新聞記事に、東京都荒川区が同区の公立小中学校や高校に通う10代を対象に行った「同世代に薦める本」のアンケート結果が紹介されました。上位100冊(五十音順)が同区立図書館のホームページに掲載されており、そのなかの12冊がケータイ小説となっています。

 アンケートは、同区教育委員会が今年6月に実施。5823件の用紙を配布して、4124件の回答を得たとのこと。ちなみに同区の10代の人口は13343人です。上位100冊の新刊本を、各区立図書館で展示するそうです。
 毎日新聞記事では、

1位の「バッテリー」に続き、2位は「恋空―切ナイ恋物語」(美嘉)▽3位「ハリー・ポッターと秘密の部屋」(J.K.ローリング)▽4位「ブレイブ・ストーリー」(宮部みゆき)▽5位「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(J.K.ローリング)の順。

と5位までの順位が紹介されています。

 トーハンが発表した2007年ベストセラーの総合5位までに重複する本はひとつもなく、単行本−文芸部門ではケータイ小説の『恋空―切ナイ恋物語』が重なります。年代や地域を特定していないので単純な比較はできませんが、トーハンの総合では、1位に『女性の品格』が入っており、5位までに物語はひとつもありません。アンケートでは100冊をみても、一部に『五体不満足』などもみられますがほとんどが物語となっています。子どもは物語を好み、大人になると新書など物語以外の本を読み始める…ということでしょうか。
 他に、ハリー・ポッターシリーズが6冊あることも特徴といえそうです。『バッテリー』や『ナルニア国物語』はシリーズでのランクインですが、ハリー・ポッターは1作品ずつ挙げられています。

 今年4月に実施された学力テストの意識調査で、子どもたちの読書量は増えているとの結果も出ています。このアンケート結果をみると、ケータイ小説や子ども向けの話題作などに支えられている部分もあるようですが、同時に『赤毛のアン』や『吾輩は猫である』といった往年の名作もランクインしています。10代の子どもたちにはケータイ小説をきっかけとすることで読書に親しみ、ノンフィクションなど様々なジャンルの本にも挑戦していってほしいものです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
4件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2007/12/20 8:59:42
    子どもの本って物語がとても多いですよね…。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2007/12/20 10:05:49
    同年代の友人の日記を読んでいるような感じなのでしょうか。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2007/12/22 18:23:18
    ケータイ小説は友達の日記感覚なのかも。
    もしくはメール?

    教科書には説明的文章とかありますけど、
    図書館には少ないのかなあ。
    子どもの頃、物語以外を読んだ覚えもあんまりありませんねえ。
    • 4
    • 名無しさん
    • 2007/12/25 9:20:05
    先日、「女性の品格」の著者が情熱大陸に出ていましたが、寝坊はするは、朝食は台所で立ち食いだわ、洗濯物は干しっ放しだわで、イメージしてた品格のカケラもありませんでした・・・。
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