「これからは、発信の時代。」8日に東京都で行われた読売新聞主催の教育ルネサンスフォーラム「教師力シンポジウム」で、250万部のベストセラー、『頭がいい人、悪い人の話し方』の著者である樋口裕一氏はそう言った。同シンポジウムは、教師の教え方や生徒の学び方を考えるという主旨で開催され、樋口氏は、基調講演として、入試での小論文や会社での企画書作成、プレゼンなど、自分の考えを表現することが要求される現代での、発信力の重要性について説いた。
樋口氏は、学力=コミュニケーション力(発信力、受信力)とし、自らが塾長を務める作文・小論文添削塾の「白藍塾」で感じる中学生や高校生、大学生の学力低下の理由として、読書離れ、情報化、受信に偏りすぎていることを挙げた。子どもがインターネットなどを介して同じ価値観の者同士が集まる空間に閉じこもり、異なる意見の人に自分の意見を主張することが少なくなってきたり、「どう考えたか」でなく「受け取りが正確にできたか」を問うテストばかり受け、受信することに偏りすぎているということだそうだ。こうした上で、総合的な学習の時間での論文指導で発信力を鍛えることを提案した。小論文ではYes・Noの意見を論理的に説明することを要求されるため、体験や感想をそのまま書く作文とちがって、自分の意見を発信する力がつくことが期待できるようだ。また、新聞の投書欄を子どもに読ませ、親子で意見を戦わせるなどの方法でも、効果が見込めるという。
きょういくじん会議でもとりあげたが、4月の全国学力調査では子どもの読書量は減っていないという調査結果があり、ケータイ小説がベストセラーになるなど、若者が読書離れをしていないことを示唆するような事実もある。また、現代の子どもはメールで文章を書く習慣があるから、むしろ発信力はついているという意見を耳にすることもある。しかし、同じような価値観の者同士で話してばかりいても、発信力はつかないという考えもあるということか。
限られた学校の時間を使っての論文指導は簡単ではなさそうだが、まず新聞投書欄を家庭で読んで議論してみるなど、手軽な「発信」方法から試してみてはどうだろうか。
そうですね。
自分も携帯で打つのは面倒くさいので、かなり簡潔な内容になっちゃってます。
「仕事終わったから今から帰る」→「おわた」とか・・・。
若い子たちのやり取りを見ていると、顔文字がないと感情が伝えられないし、読み取れないんだなあ、と思います。
顔文字なしで送ると、怒ってる?とか機嫌悪い?と受け取られるそうです。