17日の時事通信社の記事では、「農水省に20人程度の食品表示Gメンを配置する」と伝えています。今年の漢字「偽」に象徴されるように、今年は1月の不二家からはじまり、鶏肉やお土産品、ファーストフードなどなど食品表示に関しての「偽装事件」が相次ぎました。内閣府の掲げている「生活安心プロジェクト」でも「食」の安全に関して国民の信頼を取り戻すべく、国をあげた取り組みをスタートさせることとなったようです。
さて、この消費者に食品の情報を正しく伝える「食品表示」、皆さんは意識して買い物をしていらっしゃいますか?
学校では家庭科や公民などで「食品表示」や「JASマーク」について学んだり、消費者としてかしこく食品を選ぶ方法を教えていらっしゃるかもしれませんが、意外に知らないことも多かったり、知っていてもついつい安価な食品を選んでしまうことも多いのでないでしょうか。
「食品表示」とは生鮮食品や加工食品など一般に販売される飲食料品に義務付けられている表示のことですが、農産物には「名称」と「原産地」、水産物にはこれらの他に解凍したものや養殖したものにはそれぞれの表示が必要です。また、最近の健康志向でよく耳にする「有機食品」。これはJAS規格の検査に合格した有機JASマークがつけられたもの。有機農産物のうち、果物は収穫前3年間、野菜やお米は2年以上もの間、化学合成農薬や化学肥料を使用しないで栽培したものと認められなくては表示できません。
最近「偽装」が問題になることの多い加工品については、平成16年9月にJAS法に基づく加工食品品質表示基準が改正され、生鮮食品に近い20食品群にも原料原産地を表示しなくてはならなくなりました。そこには緑茶やもち、こんにゃく、合い挽肉なども含まれており、今までは表示が義務付けられていなかったことに驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか。さらに、普段何気なく飲んでいる緑茶飲料の原料原産地表示も義務づけられ、平成19年10月からは完全実施となるそうです。
さらに詳しく知りたい方、気にはなるけどチェックするポイントが分からないという方は、JAS協会の「食品表示ウォッチャー」に応募してみてはいかがでしょうか。日常買い物をするスーパーやお店で食品表示の義務を怠っていないかなどをチェックし、協会に報告する役目を担うウォッチャー。毎年募集しているようです。ウォッチャーに選ばれれば、協会から食品表示に関しての詳しい情報を提供してもらえるので、知識をつけながら、子どもや家族のために安心な食品を選べて一石二鳥になるかもしれません。
国内だけでなく、国外からの輸入食品も含め、今まで以上に不信感が募る食の安全。家庭や学校での「食育」の一環として、「食品表示」についても説明しながら買い物をしたり、産地や栽培法についても考えながら食事をいただけるようになるといいですね。
あまり気にしないのが一番かも。