![受験の神様 オリジナル・サウンド・トラック [Soundtrack]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/B000T9M28A.01.MZZZZZZZ.jpg)
今年も中学受験の季節がやってきた。子どもたちの数年間の頑張りが試される時だが、ここ数年は私立中学志望者の多さが話題になっている。受験者数は今年も増加傾向にあるのだが、公立の中高一貫校の存在によって状況が変わってきたようだ。
5人に1人は中学受験―東京・神奈川・埼玉・千葉
23日の産経新聞の報道では、今年も東京近県の国・私立受験者数が増加するという大手進学塾の見込みが発表された。四谷大塚によれば国・私立中を受験する子どもの数は約5万2500人(500人増)で受験率は17.7%、日能研では公立中受験者も含めて約6万人(2000人増)、受験率は20%と推測されており、どちらもほぼ5人に1人が中学受験を行うことになるという予想だ。中学入試が集中する1月後半から2月前半にかけて休みを取る子どもが多いため、学級閉鎖直前まで子どもが減ってしまう学級もあるそうだ。
首都圏では数年前から公立学校不信が進んでいると言われ、東京都教育委員会の発表した「公立学校卒業者の進路状況調査」を見ても公立中への進学者は減少傾向にあることが分かる。今年の受験者数増加も、一見その傾向を引き継いでいるかのように思える。
公立の中高一貫校が人気上昇中
しかし、受験者数を底上げする要因は私立校人気だけではない、という見方もある。公立の中高一貫校が人気なのだ。日能研の国・公立中学の受験データを見ると、既存の大学附属中を除く公立の一貫校は、一律に1000人近い応募者を集めている。特に、今年新設される立川国際・千葉県立千葉・武蔵高校附属などは2000人近い応募があり、狭き門となっている。
人気の秘密は受験のしやすさ、学費の安さにあると言われている。一般的な公立学校にかかる授業料で、6年間を通じた弾力的・継続的な授業を受けることができる。高校受験もないので部活などをするゆとりもある。「何もしないまま公立中へ進学させるのは不安だが、私立は受験や学費の負担がちょっと…」と二の足を踏んでいた親にとっては、チャレンジしがいのある選択肢となっているようだ。
学力テストによる選抜がないことも人気の一因だ。受験に偏重したエリート校づくりが目的ではないとし、適性検査を用意したり、面接や作文、報告書、抽選などを組み合わせた多角的な選抜を行う。6年生から準備しても間に合うこともあるそうだ。千代田区立九段や白鴎高校附属では適性検査の過去問を公開しているが、資料の読み取りや説明する力を求める、PISA型に近い設問が多い。校区の歴史や文化を題材にした問題もあり、地域に根ざした公立校らしさが見受けられる。
公立中高一貫教育校は平成11年から制度化され、文科省の発表によれば平成19年4月の時点で全国に149校が設置された。最終的には、全国に500校を設置することが目標となっている。少子化により私立の一貫校でも競争が激化している中、特色ある教育を打ち出し、実績を残せるか注目していきたい。
- 連携プレイで人気奪回を―中高連携型一貫教育(2007/6/27)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/news/?id=20070104
![](/common/img/banner/merumaga_w655h70.png)
一般的な中学校へ行く優秀な子どもが、どんどん減っていってしまうのでは?