もんじゃ焼きって、食べたことあります? 小麦粉を水やダシで溶いたものにソースなどで味付けをして、好みの食材を混ぜて鉄板で焼くだけの簡単シンプル、でもとっても個性的! な、東京の下町発祥の食べ物です。
1980年代ごろから月島を中心にブームになり、最初はその個性的な見た目から他地域の方や外国の方には、「ゲテモノ」なんて不名誉な評を受けたことも。しかし一度試しに食べてみると「意外においしい…?」とファンを着実に増やし続け、今や立派な東京名物に。
そんなもんじゃ焼きも、元はと言えば駄菓子屋で子どもたちが食べるおやつでした。誕生したのは明治の終わりごろ。当時、駄菓子屋の多くには鉄板の焼き台があり、そこで小麦粉を水で薄く溶いたものを焼いて、醤油や蜜をたらして食べるという素朴なおやつを売っていました。それがもんじゃの始まり。もちろんその頃ホットプレートなんて便利なものはありませんから、材料自体は簡素でも、大きな鉄板の威力で焼かれるもんじゃ焼きは、普通の家庭ではマネのできない特別なおやつだったことでしょう。
そしてもんじゃというフシギな名前は、子どもたちが高級な和紙の代わりに、もんじゃの生地を使って鉄板に文字を書いて勉強をしていたことからきているとか。「文字焼き」→「もんじ焼き」→「もんじゃ焼き」といつの間にか語形が変化していったんですね。
その他にも、ヘラで文字を書く様にかき回しながら焼いたからとか、とらえどころがない「なんじゃもんじゃ」からきているとか、諸説あるようです。
さて、駄菓子だったもんじゃ焼きも、今では豪華な具が入っていたり具沢山になっていたりで、味もお値段もすっかり大人向けになってしまいました。でも、みんなでもんじゃを焼きながらワイワイ食べる楽しさは今も昔も変わらないハズ。
ではここで、3代続く生粋の江戸っ子であり、もんじゃ暦ウン十年の私が、僭越ながらもんじゃの焼き方をご紹介いたします!
【其の一】鉄板を温めて適度に油をひくべし
ヘラで油を全体的に薄く伸ばします。油が足らないと、もんじゃがあっという間に焦げてしまいます。
【其の二】先に具だけ炒めるべし
もりもりと器に盛られてきた“もんじゃの元”。まずは具だけをうまく鉄板に落として炒めます。キャベツはざくざく切るように炒めると、野菜本来の甘みが出てもんじゃが一層おいしくなります。
【其の三】炒めた具でドーナツ状の土手を作るべし
大きめに作るのがポイント! これが狭いと、生地を流し込んだ時に土手が決壊してしまいます。
【其の四】もんじゃ生地を土手に流し込むべし
大抵は器の底に小麦粉が溶け残っているので、スプーンでかき混ぜつつ、残らずゆっくり流し込みます。
【其の五】混ぜて混ぜて広げるべし
生地がグツグツしてきたら、土手と一緒にヘラで一気に混ぜましょう! トロミが充分に出たらできあがり。
上記はあくまでも私が個人的にオススメする焼き方ですので、ご参考までに…。
ちなみにもんじゃ焼きは、ハガシ(あの小さいヘラのことです)で鉄板に軽く押し付けて、ハガシにくっつけて食べるのが正しい作法です。くれぐれもすくったり小皿に取り分けて食べることのないように! お店のオバチャンに邪道と叱られてしまうかも!?
食わず嫌いされることも多いもんじゃ焼きですが(特に関西の方…)、東京ではお好み焼き・広島焼きに対抗する(?)一大勢力となっているだけあって、その実力は確かなもの! 電化製品が発達したこの現代日本では、ご家庭でもホットプレートを使って簡単に作れます。お鍋に飽きたら、粋にもんじゃパーティーなんてどうですか? もんじゃの語源に倣って子どもと一緒に文字焼きを楽しむのもよさそうです★
- 月島もんじゃ振興会協同組合ホームページ
http://www.monja.gr.jp/ - もんじゃレシピ集(浅草もんじゃ焼.com)
http://www.asakusa-monjayaki.com/monja/recipe/
そ、それはヒドイ!
やっぱりもんじゃ頼む人があんまりいないんですかね(笑)