きょういくじん会議
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技の頂点めざす日本の若者―技能五輪国際大会
kyoikujin
2008/1/19 掲載

 今年の夏に開催される北京オリンピック代表選考の話題が、近頃ニュースをにぎわせているが、同じ「オリンピック」でも、「技能五輪国際大会」というのをご存知だろうか。

 昨年11月に、静岡県沼津で開催された第39回大会では、世界各国約50もの国々が参加し、48の職種において技能が競われた。開催国日本も、金16個(参加国中ダントツです!)、銀5個、銅3個という素晴らしい成績をおさめている。

 技能五輪国際大会は、1950年、スペインの職業青年団が提唱し、隣国ポルトガルとの間で技能の競技会を開いたのが始まりで、現在は2年に1度開催されている。日本は、1967年の第11回大会から参加し、これまでに金メダル175個、銀メダル106個、銅メダル88個を獲得した。
 「技能五輪」というからには、文字通り色々な「技能」を競うのだが、いったいどんな競技があるのだろう。職種をざっと見てみよう。
 石工、機械製図、旋盤、家具、印刷、溶接、自動車板金、配管、グラフィックデザイン、電工、れんが積み、ビューティーセラピー、洋裁、レストランサービス、造園…。本当に様々な職種で技が競われているのだ。

 この大会のもう1つの特徴は、参加条件が22歳以下である、ということ。つまり、次代をになう各国の若者たちが、技の頂点を目指すのだ。
 先日の成人の日に、技能五輪を特集したテレビ番組を放映していた。彼らの技そのもののすごさにも圧倒されたが、出演していた選手たちの話す内容に感服してしまった。その職種についたきっかけ、技を磨くための日々の努力、自らの夢…。見た目こそ、「今どきの若者」だが、その内には、強い意志と目標が秘められている。

 キャリア教育の必要性がさけばれ、多くの学校で職場体験などが行われているが、子どもたちに年代の近い若者が技を磨く姿を見ることは、あこがれの仕事を見つけるもっともよい機会になるのではないだろうか。彼らには「がんばることってかっこいい」と感じさせる説得力がある。

 技能五輪のホームページにはキッズページも設けられている。「自分も出場してみたい!」という子どもたちが出てくるかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/1/22 14:43:43
    キャリアに対して生き生きした大人を見れば、子どもたちも夢をなくさないと思うのですけどね…。
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