近年、都市部を中心に「学校選択制」が広がりつつあるが、全国的にはまだ10〜20%程度の普及率だといわれている。つまり、ほとんどの子どもたちは、住所によって自分の通う小・中学校が自動的に決定されるわけだが、どうしてもこの学校に通いたいと考える子どもも多い(というより、通わせたいと考える親が多い)。そういう人たちのなかには、転居せずに住民票だけをその学校の学区内に移し、入学を果たす者もいる。これを「越境通学(越境入学)」という。
10日の毎日新聞の記事によると、名古屋市では市が認めていない学区外通学をしている生徒が250人以上に上ることが分かった、とのこと。
名古屋市には全国有数のスポーツ強豪中学がいくつかあり、その「名監督」の指導を受けたいとの理由で、「越境通学」が行われる。高校ならまだ納得できるが、中学の段階でスポーツを目的として学校を選ぶという発想は、理解しがたい。しかも公立中学校である。監督=教師なわけで、その教師が異動になった場合どうするのだろうか、と余計な心配もしたくなる。
今回の名古屋のケースでは、スポーツ強豪校が不正ともいえる手段で選手を集めていたという側面があることから、ニュース性が高く、メディアでも大きくとりあげられているが、「越境通学」自体は、それほど珍しいことではないらしい。「越境通学 公立」で検索すると、たくさんの質問サイトがヒットし、「公立中学校に越境して入学した方いますか?」「公立小学校に越境入学する方法教えて!」などの文言が目に入ってくる。多くの場合、私立には行かせられないが、なるべくレベルの高い学校に通わせたい、という趣旨で質問している。都心の有名な公立小学校では、半数近くを越境入学者が占めることもあるような話まで、サイト上で出ているから驚きだ。
子どもになるべくレベルの高い教育を受けさせたいという親の気持ちは分からなくもないが、違法行為である可能性も高いわけで、親としての節度ある行動が求められることを自覚すべきであろう。
※追記:正当な理由があれば、学区外からの通学も認められる。この場合は「学区外通学」という用語が使われることが多い。
スポーツじゃなくて、学力のほうで。
同じ区の学区外ならまだしも、区外や県外からも大勢来てました。
越境先の中学が人気があったというよりは、地元の中学が荒れてたり、
小学校時代にいじめられたりで非難的に越境している人が多いようでした。
新卒教員も、そんな学校には師範塾生が配属されたりするんですよね。
英語の指定校などでは配属前から、研修もみっちりするそうですし、かかっている予算も相当違うんだろうなと思いました。
公立学校、格差時代です。