教師として初の米国芸術大賞を受賞したレイフ・エスキス先生。彼が培ってきたノウハウの一部が、『子どもにいちばん教えたいこと』で公開され、話題を呼んでいます。中でも経済的に厳しい環境で育つ子どもたちのために考え出された教室内の経済システムは、目を見張るものがあります。そのシステムをご紹介しましょう。
エスキス先生のクラスの子どもたちは、銀行員や警察官など、様々な仕事をしてお給料をもらっています。決められた以上の仕事をすれば、当然ボーナスも出ます。この小学校は貧しい移民の子どもが多く通う学校ですが、これはアルバイトではなく教室の中だけで使える特別なお金のお話です。
ここまで読んで、教室版「キッザニア」みたい、と思った方もいるかもしれませんが、その場限りの体験とはだいぶ違います。お金の使い方や価値を小学生のうちから教えようとする活動は、日本でも以前から試みられてきました。しかし、授業時間数などの関係で、1日限りの特別活動であったり、長くても数時間の総合学習の時間を使った活動に限られてしまうことが多いのが現状のようです。一方、エスキス先生のクラスで行われている活動は、年間を通して子どもたちが毎日肌で感じることができる経済システムになっています。
子どもたちは教室の席につくために、人気の前列になるほど高くなる賃料を毎月のお給料から支払います。学習のまとめに行われるゲームに勝つことも、ボーナスを得るチャンスになります。お金が貯まれば、自分のばかりでなく、クラスメイトの席を買ってさらなる収入を得ることや、毎月開かれるオークションで図書券や学用品などを手に入れることができるのです。子どもたちは毎回出納表に入金、出金、残金などを記録します。
このように、日々経済的な責任を持って生活するくせをつけ、倹約や貯蓄をすることの喜びを経験することは、目の前の欲求を満たすのではなく、努力して計画的に欲しいものを手に入れることの大切さを教えてくれるのではないでしょうか。
家計簿が三日坊主になったまま…、という方も少なくはないのでは? まだお年玉も残っているかもしれないこの時期に、お子さんと一緒にお小遣い帳など、始めてみるのもいいかもしれませんね。
- 一人暮らしシミュレーションで金銭教育(2007/11/24)
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/kaigi/?id=20070389
どこかの証券会社が小学生に株を教えると聞いたときは、正直どうかと思いましたが、授業時間をつかわずに裏システムでお金の大切さが学べるのは、画期的かもしれないですね。
消費は美徳として、
借金してどんどん金を使う。
あるいは、貯めた金でゲームをし、
世界中の物価を上げる。
アメリカではそのような国民をそだてていたんだなあ。
借金してもまでの浪費はともかく、自衛するだけの知識は必要かも。
日本人は金融音痴でも、日本が経済大国ゆえに豊かさを享受してこれましたが、今の子どもらが大人になる頃の日本経済の衰退ぶりと財政の破綻ぶりを想像すると、資産運用は欠かせないスキルになっている気がします。