きょういくじん会議
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歌舞伎役者が学校に! 「本物の舞台芸術体験事業」
kyoikujin
2008/1/30 掲載
歌舞伎手帖

 全国の小・中学校の体育館が舞台に変わる―。
 文化庁は、地域における文化の振興施策のひとつとして、「本物の舞台芸術体験事業」を実施し、現在、20年度の開催校を全国から募集しています。子どもたちが学校で舞台芸術を鑑賞するだけでなく、体験することもできるこの事業。みなさんの地域でもすでに行われているかもしれませんが、簡単にご紹介します。

 事業の趣旨は、「本物の舞台芸術に身近に触れる機会を提供することにより、子どもたちに芸術を愛する心を育て、豊かな情操を養う」というもの。公演種目は、合唱、オーケストラ、音楽劇、児童劇、演劇、ミュージカル、歌舞伎、能楽、人形浄瑠璃、洋舞、邦楽・邦舞で、これらが全国の開催校に割り振られます。開催校に選ばれると、事前に公演団体によるワークショップが開かれ、公演当日は子どもたちが、公演団体と舞台で共演できることが、この事業の特徴のようです。

 公演種目には、歌舞伎、能楽、人形浄瑠璃など、多くの子どもたちには、なじみがうすいと思われる伝統芸能もふくまれていますが、小学生・中学生が伝統芸能に興味を示すのでしょうか?
 2007年10月19日の読売新聞の記事は、歌舞伎役者・中村吉右衛門の一行が、19年度の開催校であった宮城県上多田川小学校を訪ねたときの様子を伝えています。それによると、子どもたちは、大人たちの心配をよそに、歌舞伎公演に熱心に参加し、食い入るように見ていたとのことです。「百聞は一見にしかず」。教科書や映像では伝わらない「本物のすごさ」が子どもたちの心を揺さぶったのでしょう。

 次期学習指導要領で強調されている「伝統や文化に関する教育の充実」。そのひとつとして、伝統芸能のすばらしさを子どもたちに伝えることも、今後より必要とされていくように思います。伝統芸能というと、わたしたち大人も「見る機会がない」「難しい」などと、敷居を高くとらえがちかもしれませんが、このような事業などを活用して、まずは、子どもたちと一緒に「本物のすごさ」を純粋に楽しむことから始めるといいかもしれませんね。なお、20年度の開催校の募集締め切りは、2月15日です。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/2/4 11:29:56
    希望が多いところでは、かなり倍率高いそうですね…。
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