きょういくじん会議
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団地の存在、学校再編にも影響
kyoikujin
2008/2/12 掲載

 6日の読売新聞は、ニュータウンの学校再編に、悩ましい問題があると伝えている。生徒数が減ったからといって、安易に学校再編ができない状況があるというのだ。

 同記事には、多摩ニュータウンの一画にある豊ヶ丘中の生徒数が、ピーク時の4分の1に落ち込んだとある。1976年の開校時に207人だった生徒数は、団地の建設とともに4年後には875人にまで急増、その後周辺に学校が新設されたものの、若い世代の入居が減り、生徒数も落ち込んだとのこと。
 しかし、安易に学校再編ができないのは、多摩市教育委員会学務課に、「ニュータウン地域でも一部のマンションで建て替えが始まっており、再び人口が回帰する可能性もある。今の学校配置で適切かどうか、先は読みにくい」という考えもあるからだ。

 ニュータウン開発は、高度経済成長期に人口が急増しつつあった都市部の住宅難を解消するために、国内各地で進められた。一般的に、団地の耐用年数は70年といわれているようだが、老朽化は否めない。新しいマンションが建つ中で、若年世代も、老朽化が進んだ団地に住むことを積極的に選択しないだろう。団地には、高齢化と空き家の増加という問題もありそうだ。
 実際、5階建てくらいの団地にエレベーターがあることは少なく、高齢者が住みやすい環境とは言えない。しかし、建て替えを検討すれば、心理的に「今更立て替える必要はない」と考える高齢者や、緑豊かな低中層住宅の団地を好む住民の反対も、予想される。その上経費を考えれば、住民の総意に近いところで、建て替えを実行するのは難しい現状がある。

 少ないながら、建て替えのプロジェクト(日経BP社)が進行している事例もある。立地が良い団地を、高齢化に対応した設備を持つ住宅に建て替えることで、高齢世帯が安心でき、若年世帯の転入を促せるメリットが生まれるのではないか。団地の空洞化を見過ごして、学校の統廃合が進むのではなく、建て替えが若年世帯の転入を促し、児童生徒数の安定につながれば、地域にも有益になりそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/2/12 12:48:45
    都市部の団地だけでなく、人口の土地集中で地方によっては学校運営も大変でしょうね。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2008/2/12 21:32:06
    >1さん
    少子化の中、一部地域では子どもの数が増えていたり、今後の子どもの数は、なかなか読めませんね。
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