先生が問題を出す。その答えを子どもがノートに書き込む。すると、先生の目の前にあるパソコンに、答えが映し出される…「そんな時代は、さすがにまだまだ先」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、すでに実際の小中学校でこのような授業が行われ始めているという。
最新デジタルペンとは?
1月21日の朝日新聞の記事によると、「デジタルペン」という最新IT機器を使った授業が、試験的に全国の小中学校や大学で行われているという。デジタルペンとは、記入と同時に文字や記号をデジタルデータ化して記録するもの。見た目は、少し太めのボールペンのようなもので、デジタルペンで書く文字は、普通のペン字と変わらないという。
専用の用紙に子どもたちがデジタルペンで文字や記号を書くと、先生の手元のパソコンに情報が送信され、すぐに学習過程や解答が把握できる仕組みとのこと。また、スクリーンに映し出すこともでき、生徒同士のコミュニケーションの促進につながることも狙っているという。
子どもそれぞれの考えが瞬時にわかり記録できることは、「個に応じた指導」に非常に適しているといえそうだ。将来には、先生が机と机の間を回り、子どもの解答をチェックする姿が消え、パソコンで解答をチェックする時代がやってくるかもしれない。
実際に使っている学校の評判は?
採り入れている小学校では、授業に緊張感が出る、生徒の考えが把握できる、など好評のようだ。また、大学では、聖学院大学が入学前準備教育として、デジタルペンを採り入れている。大学で必要な基礎学力を補うことを目的として、デジタルペンを使った小論文の添削指導の講座などを開いているという。
学校の授業にデジタルが進む?
デジタルペン以外にも、IT機器を採り入れた授業は多い。パワーポイントを使った授業などは、多くの先生が取り組まれているのではないだろうか。また、京都府八幡市内の中学校で行われているニンテンドーDSを使った英語学習などは、話題にもなった。
文部科学省では「先導的教育情報化推進プログラム」として、教育の情報化に関する研究の公募を行い、14件が採択され、研究が進んでいるという。採択案件一覧を見ると、「PHS網と非公開型SNSを活用した、長期欠席を余儀なくされている、児童生徒のための交流・学習・情報の共有の仕組みの有用性の調査研究」など、興味深い研究が多い。
IT機器などを用いることで、授業が活性化し、子どもの理解が進むことは望ましいことだろう。ただし、IT機器は高額なものが多く、費用の問題が付きまとう。デジタルペンにしても、1セット150万程度で販売される見込みだという。学校のIT化を進めるうえで、費用の問題を解決することが、今後より重要になってくるだろう。
電磁波の影響とかは大丈夫なのでしょうか・・・?