きょういくじん会議
まじめなニュースからやわらかネタまで、教育のことならなんでも取り上げる読者参加型サイト
コピー、文具はタダの時代? 大学を狙った画期的ビジネス
kyoikujin
2008/3/10 掲載
Silviculture and Ecology of Western U.S. Forests

 試験前にあわてて友人のノートをコピーしようと思ったら、財布を忘れた! そんなときでも大丈夫、うちの大学ではコピーがタダだから! 今は、こんな時代になってきているらしい。ここ数年、都内を中心とする大学では、「タダでコピーができるサービス」が浸透してきているという。

 株式会社オーシャナイズが提供する、無料コピーサービス、その名も「タダコピ」。コピー代がかからないのだから、学生にとってこんなにいい話はない。なぜこのようなサービスが成り立つのかというと、このコピー機に使用されている紙の裏面が広告になっており、広告主が経費を出しているからだ。広告主にとっても、ノートなどをコピーしたものはすぐには捨てられないために、広告をじっくり見てもらえるというメリットがあるという。

 広告主としては、就職活動情報誌を発刊する企業やインターンシップへの参加学生を募る企業などがあるほか、昨年夏には東京都選挙管理委員会が「タダコピ」を利用して参議院選挙への投票をうながす広告を出すということもあった。ターゲットが大学生と絞られているだけに、使いようによっては、単なる企業の商品PRとしてだけでなく、若者の将来の可能性をひろげたり、社会参加をうながすような情報も盛り込めそうだ。広告をよく吟味し選定して掲載することで、学生にとってより有益な情報源となることに期待がかかる。

 また、これらのサービスは学生、広告主の双方にメリットがあるだけでなく、すぐに捨てられてしまうことも多いチラシ類をコピーとして利用するということで、通常の広告よりは環境にやさしいともいえるだろう。このようなサービスによって、学生が環境問題を意識することにつながることにも期待したい。

 無料でコピーができるコピー機は、慶応義塾大学や法政大学をはじめ、40以上の大学で設置され、着実に台数を増やしている。また、2月25日の朝日新聞の記事でも株式会社全立が提供する、やはり広告を載せた「エコフル 」というルーズリーフを無償支給するサービスが都内の大学で人気であると報じられている。学生の勉強道具はすべて無料化になるかもしれないと言ったら言い過ぎかもしれないが、こういった広告を使って経費をまかなう形のサービスの勢いはまだ止まらなさそうだ。
 「タダコピ」のアイデアは、当時大学生だった現社長のものらしいが、やはり学生であるからこそ、学生にとって有益なビジネスを思いついたということか。まだまだ、学内での、教育的にも有益なビジネスチャンスは転がっているかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/3/12 8:50:41
    うらやましいサービスですね…。
コメントの受付は終了しました。