31年の歴史に幕―プリントゴッコ販売終了
暑中見舞いや年賀状を「プリントゴッコ」で作った思い出のある方も多いと思います。手作り感を生かしつつ安価に大量のプリントができ、一世を風靡したこの器械。パソコンのカラープリンタの普及や、葉書文化の衰退に押され、ついに販売を終了することが発表されました。
「プリントゴッコ」の原理
「プリントゴッコ」はガリ版印刷やシルクスクリーンと同様、穴の開いた版にインクを盛って印刷をする孔版(こうはん)印刷と呼ばれるもの。金色や銀色などの特色の印刷や、Tシャツなどの布へのプリントが手軽にできる点は、パソコンのプリンタにはないメリットでした。
アナログからデジタルへ
今の子どもたちは、年賀状印刷もパソコンが当り前の時代に生まれてきています。先日何人かの大学生に話を聞いてみたところ、「プリントゴッコ」は知っているものの、使った経験のある人は多くありませんでした。また、Eメールの普及に伴い、年賀状や暑中見舞いをメールで済ます若者も増えてきているようです。
手書きで原稿を作り、ランプをビカッと光らせて製版し、インクを盛って押して、乾くまでじっと待って…という「プリントゴッコ」での製作工程に「ものづくりの楽しさ」を感じていた人も多いのではないでしょうか。「プリントゴッコ」の販売終了は、アナログからデジタルへ…という時代の移り変わりを象徴しているようにも思えます。
なお、本体の販売は6月30日で終了するものの、ランプ・インク・マスターなどの消耗品については当面販売を継続するそうです。
- プリントゴッコ・ワールド(RISO)
http://www.riso.co.jp/pg/index_top.html - 年賀はがき4億枚売れ残る 民営化元年 遅配などの苦情は減る(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080126/trd0801261929012-n1.htm
この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
メールの年賀状はいくらデコを駆使していてもさびしいものです・・・。