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特別支援学校教員の免許状保有状況―文科省調査
kyoikujin
2008/6/26 掲載

 文科省は特別支援学校教員の特別支援学校教諭等免許状保有状況等調査結果の概要(平成19年度)を5月に公表した。
 当該障害種の免許状保有者率は、全体で67.0%(視覚障害教育33.1%、聴覚障害教育46.1%、知的障害教育70.9%、肢体不自由教育69.7%、病弱教育71.8%)であった。

特別支援学校の教員の免許状とは

 特別支援学校の教員の免許状とは、従来、盲学校・聾学校・養護学校免許といわれていたもので、学校教育法等の一部改正(平成19年4月施行)により特別支援学校の教員の免許状に一本化された。
 盲学校・聾学校・養護学校免許であった各障害種への専門性については、教授可能な障害の種別(教育領域)、という形で残されているが、一本化されたこの免許状の取得にあたっては、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱、と様々な障害について幅広く学ぶことになった。その上で、特定の障害について専門的に学び、修得状況等に応じて教授可能な障害の種別(教育領域)が決められる。

免許状を持たない教員への認定講習

 特別支援学校へ教員を配置する際、免許状保有を特に考慮していない都道府県があること(19.1%)、視覚障害教育については取得できる養成大学が極めて少ないこと、などやむを得ず免許を持たないまま特別支援学校教諭になった教員もいるだろう。しかし、今、特別支援学校は、地域の特別支援教育のセンターとしての機能を位置づけられ、教員には幅広い知識と専門性が求められている。
 都道府県・指定都市教育委員会が実施する認定講習に加えて、放送大学等通信教育講座、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所が行う研修(認定講習)、大学の課程など免許状の取得法はさまざまに用意されており、活用が望まれる。

特別支援学級や通級による指導、特別支援教育コーディネーターは

 一般の小学校にある特別支援学級や通級による指導は、小・中学校の教員免許状を持っている教員であれば担当できる。
 各学校で任命されている特別支援教育コーディネーターにも特別支援学校の免許状のような制度はない。
 しかし、特別支援教育についての専門性が教員に求められていることにかわりはない。山形県鶴岡市のように特別支援教育コーディネーターに対して各30時間、3段階(初級→中級→上級)の養成プログラムを持つところがあったり、「「特別支援教育士」6年間で14倍に、その6割は教員」でも報じたように協会が認定する資格取得を目指して勉強する教員が増えてきていたりする。

 平成19年度から本格実施されたばかりの特別支援教育は、熱意を持って自己研鑽する教員に支えられている。今後さらなる教師の資質向上、免許状保有率アップを願いたい。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/7/6 23:49:15
    免許状はやはり持つべきだと思います。
    「誰でも1週間で校長先生になれるんです?!」という民間校長先生の本、ちょっと「?」と思ったことが…。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2008/7/6 23:50:29
    いやー、でも一昔前に「カリスマ美容師が無免許」とか、ありましたよね。
    実力と免許はまた違ったりもするのかもしれませんが…?
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