きょういくじん会議
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指導要領「解説」家庭科編―食育・環境を重視
kyoikujin
2008/7/17 掲載

 1日に文科省より「小学校指導要領解説」が発表された。家庭科編(ZIP)では、内容の項目立てが改善され、「家庭生活」・「家族」・「自分の成長」・「食育」・「環境」の重視が要点となっている。

連続性の重視
 4年生までの学習内容を振り返り、5年生からの家庭科の学習を展望するため、「自分の成長と家族」という項目が新設された。また、中学校の学習内容との連続性が重視され、これまでの8内容項目から4内容項目へと整理・統合された。

「家族」・「家庭生活」と「自分の成長」の重視
 新項目「自分の成長と家族」はまた、家族や家庭生活を大切にし、自分の成長を認識するという役割も担っている。これまで「関心を高める」と記述されてきた「家庭生活」だが、新しい「解説」では「大切にする」と明記されている。また、「自分の成長を自覚する」という視点を持って学習に臨むという目的もあるようだ。

「食育」の重視
 「食事の役割と日常の食事の大切さ」「楽しく食事をするための工夫」という項目が新設され、小学校家庭科が食育推進を担っていくことが示された。また、「体に必要な栄養素の種類と働き」という項目が新設された。これまで中学校で学習することになっていた五大栄養素についても、小学校で基礎的な内容を学習することになる。

「環境への配慮」の重視
 「環境に配慮した生活の工夫」という項目が新設され、小学校家庭科において、「環境への配慮」を生活の中で実践する方法を学ぶことになった。また、これまで「物や金銭の使い方」とされてきた項目が、「物や金銭の大切さ、計画的な使い方」へと改められ、学習内容の方向性がより具体化された。

 以上4点が要点となる。注目したいのは、これまでは見られなかった「〜の大切さ」という表現が新項目で多用されていることである。「関心をもつ」から一歩踏み込んで「大切にする」ことを明記した点が、今回の小学校家庭科「解説」でもっとも重視すべき点と言えるかもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 食育おばさん
    • 2009/11/27 9:43:14
    食事を考えるとき大切なことは、体と食品に共通するものさしが必要です。
    1.食品栄養学ではで元治元年(1864)から食品重量と栄養成分の原理原則は「食品重量(100)=一般成分(たんぱく質+脂質+炭水化物+水分+灰分)」で左辺と右辺は常に等しくなります。(条件:単位(%・g)現在の日本食品成分表もこの原則で作成されています。
    2.からだの栄養(熱量)の原理原則は明治25年(1891)より「熱量(100)=三大栄養素(たんぱく質+脂質+炭水化物)」で左辺と右辺は常に等しくなります。(条件:単位(%・kcal)今回発表された日本人の食事摂取基準(2010)も、一日の食事摂取量を100とし、三大栄養量を熱量比で著しています(何故かたんぱく質がgとなっていますが?)、また特別用途食品の乳児用調整粉乳や総合栄養食品の許可基準も熱量(100)とし三大栄養量を熱量比で著しています(何故か炭水化物のみが%となっていますが?)
     いずれにしても、これらの原理原則を食育に導入すれば四則計算の終了した児童なら、誰でも食育の授業が楽しくなります。現在の食育は単位の異なるものを一緒に扱っているからです。算数で等号の意味を教えているのですから食育も常識に基づいた誰でも楽しく学習できる授業の指導要綱として下さい。
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