きょういくじん会議
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江戸っ子の心意気! 江戸しぐさに学ぶ公共マナー
kyoikujin #93
2008/7/23 掲載
「江戸しぐさ」完全理解―「思いやり」に、こんにちは

 最近電車に乗ると、乗車マナーを喚起するポスターをよく見かけます。車内での化粧、飲食、携帯電話の使用、音漏れ、濡れたカサの持ち方などなど…。どれも常識的なことですが、電車に限らず公共の場でのマナー違反は、残念ながら未だに見受けられるのが現状。
 そんな中、今あらためて見直されているのが江戸しぐさです。

 江戸しぐさとは、江戸に住む人々の間に根付いていたマナーのこと。当時、世界でも有数の大都市であった江戸の町では、トラブルを避け、お互い気持ちよく暮らすための人付き合いの知恵が必要だったそうです。そこで必然的に生み出されたのが、江戸しぐさ。それは日常の立ち居振る舞いから言葉使いまでにおよび、江戸っ子たち同様イキなマナーだったようです。
 代表的な江戸しぐさには、雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うという傘かしげ、腰をこぶし分だけ浮かせて席を詰め、空席をつくるこぶし浮かせ、狭い道ですれ違う時に右肩を引いて、ぶつからないようにする肩引きなどがあります。足を踏まれたら、踏まれたほうが「こちらもうかつでした」と謝るうかつあやまりなどは、なかなかできる人はいないのでは?

 江戸しぐさに共通するのは、相手を気遣う心。それらを学び、マナー向上と思いやりの精神を育もうという動きは学校現場でも数年前から始まっており、道徳や総合学習の授業で江戸しぐさを取り入れる学校が徐々に増えているようです。 16日付の産経新聞の記事では、中野区の東京文化中学・高校で生活指導の教材として採用され、週1回の朝礼で風紀委員会が実際にしぐさを実演するなどして、生徒に浸透を図っているということが紹介されています。

 江戸しぐさを身につけられない人は野暮な田舎者と見られ、たとえ侍であっても馬鹿にされたとか。私たち大人も、江戸っ子の心意気を学ぶ子どもたちに馬鹿にされないように、公共マナーの原点ともいえる江戸しぐさをイキに真似していきませんか?

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/7/23 17:23:48
    >江戸しぐさを身につけられない人は野暮な田舎者と見られ、たとえ侍であっても馬鹿にされたとか。

    いいですね。こういうの。道徳の観点からマナーを教える正攻法もいいですが、いかんせん面白くはない。粋な遊び心も時には取り入れた方が効果ありそうです。大人たばこ養成講座も人気ありましたよね。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2008/7/24 22:45:24
    傘かしげとか肩引きなんて、普通にやってるような気が。
    でも、うかつあやまりは結構難しそうですね。ヒールで踏まれた日にゃ・・・
    • 3
    • 名無しさん
    • 2008/7/25 12:41:34
    「こちらもうかつでした」まで言えたら凄いですが、相手に謝られたら「いえ大丈夫ですよ」的な反応は欲しいですよね。謝っても黙って睨み付ける人とかいますもん。そりゃ踏んでしまった方が悪いんでしょうけど、お互い感じ悪さしか残らないような・・・。
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