きょういくじん会議
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新学期から歩いて通学―学校にも原油高騰の影響(米国)
kyoikujin
2008/9/3 掲載
グラディー/gladee ジョリースクールバス・ペンケース

 夏休みも終わりを告げ、新学期が始まりました。9月から学年が変わる米国では、いつもなら“back-to-school”に向けたショッピングなどで賑わう時期ですが、今年は原油価格の高騰などの影響が学校に通う子どもたちにも及び、新学期に向けた不安の声が上がっているようです。

 8月20日のCBS NEWSによると、米国の原油価格は、昨年から約36%も上昇。その影響で、幼稚園から高校までの多くの学校では新学期からスクールバスの本数を減らしたり、停留所を限定して、通学では子どもたちになるべく長い距離を歩くようお願いするところも出てきているようです。これをいい機会だと捉え、ちょうどよい運動になると、積極的に子どもを歩かせる保護者も出てきているとか。

 日本に比べて学区が広く通学にバスや車での送り迎えが一般的な地域では、車で送迎する保護者が増えることも予想されますが、仕事などで送迎ができない保護者の中には、家から学校までが遠かったり、交通量が多いことや、人通りの少ない通学路に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。学校側にとっても、送迎バスがなくなることによる子どもの身の安全や出席率の低下など、懸念は広がりそうです。

 また、この原油価格高騰の影響による経済難で、スクールバスの削減だけではなく、様々な影響が出ています。子どもたちの楽しみのひとつである社会科見学や、バスの追加送迎が必要となる課外活動、放課後のサービスなどを停止する学校も増えているほか、先生や授業の数を減らしたり、1クラスあたりの子どもの数を増やしたりすることでの経費削減を図る学校も少なくはないようです。

 輸入される石油の半分以上の入り口であるメキシコ湾で発生したハリケーン・グスタフによる影響が予想より少なく、日本円に換算すると1リットルあたり約80円と、原油価格が落ち着いてきている米国ですが、もうしばらく教育現場への原油価格高騰の影響が続きそうです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/9/4 8:59:17
    原油高騰への抗議パフォーマンスとして、馬で通勤してるニュースもありましたね。
    餌代の方が高くつきそうでしたが・・・。
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