きょういくじん会議
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小・中学生が行政に参画? 子ども議会の取り組み
kyoikujin
2008/10/4 掲載
子ども国会―21世紀子どもたちは発言する

 「遊ぶ場所が少ないので、増やして欲しい」「帰り道が暗いので、明るくして欲しい」。子どもの頃、このような願いをもっていても、両親や先生に訴えることが精一杯で、実現するなど夢のまた夢だった、という人も多いのではないだろうか。しかし、昨今は子ども議会という組織が多くの自治体で設置されるなどし、子どもが直接市長などに質問や意見をぶつける機会も増えているようだ。中には、子ども議会の提案から新しい部署が設置されたということまであるという。

市長に提案したことが実現!

 9月26日の読売新聞によると、八王子市に「子どものしあわせ課」が誕生したという。子どものしあわせ課を設置するという提案は、市内の小中学生が議員を務めた「はちおうじ子ども議会」から、「子どもの目線を大切にし、その悩み解決に取り組んでほしい」という理由でなされたそうだ。子どものしあわせ課は、児童福祉施策の企画をする部署とのこと。子どもにとってわかりやすく、親しみやすい施策を図っていくという。
 子どものしあわせ課を提案した、はちおうじ子ども議会とは、子どもの視点で八王子市のまちづくりについて提案を行うことを目的とする組織とのこと。今年の8月31日に議会が開かれ、市内在住の小中学生が参加したそうだ。8月の議会開催までに、施設見学やワークショップを行うなど議論を重ね、学校の緑化や地域の遊び場などのテーマごとにいろいろな提案をしたという。これらの子どもの意見は、提言書としてまとめられ、市が策定する「八王子市こども育成計画」の素案作成を行う八王子市こども政策推進協議会に提出されるという。子どものしあわせ課同様に、これから子どもたちの意見が反映されたまちづくりが行われることになるかもしれない。はちおうじ子ども議会について、詳しくは「一般傍聴者向け はちおうじ子ども議会(PDF)」でみることができる。

各地の子ども議会の取り組み

 八王子市以外にも、子ども議会という名称の組織は各地にあり、子どもの視点でさまざまな意見や疑問が市政に投げかけられているようだ。例えば、埼玉県久喜市では、子どもたちが質問をし、市長や教育長が答弁するという子ども議会が開かれている。中には、「2学期制が導入され、久喜市としてどのような成果が挙がったと思われていますか」といった質問もあり、子どもたちの身近な問題から発展して、教育行政にまで踏み込んだ質問もあるようだ。
 また、大阪府では、市政に質問や意見をするということとは異なるが、小学5、6年生が、大阪府の仕事や議会の役割などを学び、議会の議場で議員の仕事を体験するという子ども議会が開かれているそうだ。

 地域によって、子ども議会は、子どもが行政に直接意見したり、議会の体験をしたりと、行なわれていることはさまざまだが、どんな子ども議会でも、活動を通して子どもが行政や自分たちの住むまちについて考えるきっかけとなりそうだ。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/10/8 17:46:55
    これは良い取り組みですね。今度は3年の授業時間数も増えますし、じっくりと公民に取り組む学校が増えれば良いなと思います。

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