きょういくじん会議
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縦書きはもう古い! 子どもの活字離れに横文字が効く?
kyoikujin
2008/10/10 掲載
ケータイ名作文学・人間失格 (ケータイ名作文学)

 パソコンや携帯メール、予定表やメモなど普段目にする文章や、ご自身が文字を書く際、「横書き」がすっかり定着していると思いませんか? 学校では、国語の教科書や板書が縦書きのため、未だ縦書きを目にすることが多いかもしれませんが、私生活では横書きの文章に囲まれていることに気が付くのではないでしょうか。

 今年8月にはゴマブックスより横書きの太宰 治『人間失格』や夏目 漱石『こころ(上・下)』が発売され、9月末に第二段の横書き小説『走れメロス』なども発売されたそうです。こちらはただ単に縦書きの文章を横書きにしたのではなく、文字が詰まって見えないようにレイアウトにこだわり、黒文字を使わないなど若者に読みやすいよう様々な工夫を凝らした、ということです。そもそもこちらの企画、携帯小説を投稿、ダウンロードできるサイト『おりおん☆』に日本文学の名作のページを載せたところ、意外にも好評だったことから、若者の需要を見込んで始まったのだそう。

 さらに、お堅いイメージのある六法全書や辞書、新聞も横書きのものが発売されています。これらはすべて若者の活字離れの打開策として発売したもののようですが、学校で辞書の使い方を教えるにも左開きの辞書が出てきては、先生方のほうが戸惑ってしまいそうですね。

 また、書道の時間に横書きの練習などが出てくる可能性もないとは言えないでしょう。日本語の本来の姿である「縦書き」を精神を統一して正しく書く、という意味合いも書道にはあると思いますが、履歴書や手紙など、数少ない手書きで書く文章が横書きになっている以上は、横書きの美しい書き方を教えることも、学校での役割になってくるかもしれない、とも思ってしまいます。

 今、横書きで美しい字を書くための「六度法」も注目を集めていますが、ご存知ですか? 『横書きで「きれいな字」が書ける本』など関連書籍が多く発刊されていて、コツをつかめば誰でも横書き文字がうまくなるそうです。携帯やパソコンの普及でますます手書きで文章を書くことが少なくなっているからこそ、手書きのよさを改めて実感している方も多いのかもしれませんね。

 若者の活字離れが叫ばれて久しいですが、色々な工夫で子どもたちにも読書や文章を書くことのよさを実感させる動きは今後も広がっていきそうです。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/10/15 12:50:53
    横書き小説の走りと言えば電車男で、あれは掲示板の雰囲気を再現するという意味がありましたが、最近は太宰まで横書きですか・・・。
    でも表紙イラストを有名な漫画家に依頼したりと、小説に触れるきっかけ作りとしては意義があるのかもしれませんね。
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