![ワーキングメモリ―脳のメモ帳](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/P/478850815X.01.MZZZZZZZ.jpg)
7日の産経新聞によると、スウェーデンの大学教授らの研究で、これまで生まれつき容量に限界があるとされていたワーキングメモリを向上させるトレーニングプログラムが開発され、注目を集めています。
ADHDの症状改善にも大きな成果が報告されているそのプログラムとは、どのようなものなのでしょうか。
ワーキングメモリとは、コミュニケーションをとるときなどに、必要な情報(人の名前や過去の出来事など)を記憶の容量の中から一時的に呼び出したり、また、図書室に行くときに、自分はどこへ向かっているのかという一時的な情報を留めておいたりするプロセスのことです。このプロセスは、脳の前頭前野がつかさどっていますが、ADHDがある人たちは、その前頭前野に問題があるとされています。そのため、記憶することや計画的に行動することが難しいなど、日常生活にも影響が出てしまうと考えられています。
従来、生まれつき容量が決められていると思われていたワーキングメモリを、前頭前野の脳活動を活発にすることで向上させるトレーニング方法を開発したのが、Karolinska大学のTorkel Klingberg博士らの研究グループ。このRoboMemoプログラムでは、コンピュータを使い、1日30〜45分の練習を週5日間、5週間にわたって記憶する練習などを行うことで、長期的なワーキングメモリ機能の向上・維持を図るというもの。ゲーム開発の専門家の協力を得て、ロボットによるガイドやゲームのオプションが設けられているなど、子どもが楽しく取り組める工夫もされているようです。
Cogmed Systems ABのホームページに掲載されたKlingberg博士のリポートによると、「トレーニング3か月後において、ワーキングメモリーのトレーニング効果の平均90%以上が維持」されるという成果が出ています。さらに、個人のレベルに合わせたコンピュータのトレーニングプログラムに加え、電話などでコーチがガイダンスなどを行ってくれるパーソナルサポートが含まれるなど、きめ細かなケアシステムが用意されているようです。
開発国のスウェーデンでは、すべての子どもたちのワーキングメモリ向上のために、試験的に公立の小中学校での実施が進められています。他大学でも検証実施中のこのプログラム、日本でも一方法として参考になるかもしれません。
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長男のトレーニングが終わり、結果がよかったので、いま次男がトレーニング中です。(リンク http://www.cogmed-japan.com)