きょういくじん会議
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入学前の態度を合否に反映―神奈川県立神田高校
kyoikujin
2008/11/19 掲載
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 長ラン、短ラン、腰パン、ルーズソックス、金髪茶髪…時代によって流行り廃りはあるものの、服装や髪型で指導を受けた経験がある人は多いかもしれない。ただ、おそらく指導を受けたのは入学してからではないだろうか。入試の時点で服装や態度で合否を決めた高校が議論を呼んでいる。

点数よりも態度

 10月28日の産経新聞によると、神奈川県平塚市の県立神田高校が入学願書受付などの際に子どもの服装や態度などをチェックし、入学試験の合格ラインを上回っていても、不合格としていたとのこと。神田高校は、年間100人の退学者を出す課題校で、校長は、生徒指導の負担を軽減し、まじめな子をとりたかった、と説明したという。
 この問題は、その後様々な議論を呼んでいる。10月30日に、淵野校長が11月1日付で教育センターに異動することになり、事実上校長を解任された。しかし、その解任が報道されたのち、神田高校には校長を養護する内容の意見が多数寄せられたという。また、その後校長に現場復帰を求める嘆願書が集められ、生徒234人を含む3380人が署名し、県知事に提出したとのこと。
 淵野校長は、教頭だった平成15年頃からごみ拾いを兼ねた校内の見回りなど、学校を変えようと具体的な対策を講じてきた人物だという。生徒と食事を共にするなどし、率先して指導に取り組み、全校生徒の顔と名前を覚えているというほどだったようだ。嘆願書がこれだけの数集まったのは、そうした校長の姿勢があったからかもしれない。
 この問題に対して、塩谷文部科学大臣は、10月31日の会見で「あらかじめ公表していた合否判定方法と異なっており、公平性や透明性の点から必ずしも適切ではない」と見解を示しながらも、「一般論としては、基準の一つになりうる」と一定の理解も示したという。
 入学前に教育しやすい生徒だけを選抜するのはおかしい、入学した後に指導していくのが教育のあるべき姿、という意見がある一方、志望校に行くのに問題ある格好をしている生徒をわざわざ受け入れなければならないのか、という意見もある。この問題は、今後も様々な議論を呼びそうだ。

各地での服装指導

 服装指導は、各地で様々な取り組みが行われている。例えば、イエローカードというものを導入し、指導に段階を設けている高校もあるようだ。
 例えば、大分県の県立高校では、男子のシャツや女子のスカート丈の指導について、イエローカードを用いているとのこと。イエローカードの枚数が増えていくごとに、担任、生徒指導主任、といった形で指導する教員が増えていくシステムのようだ。また、兵庫県の県立高校では、スカート丈、化粧などの違反項目に引っかかった場合、イエローカードを切られ、保護者の押印やコメントを済ませて担任に提出させる、といったことをおこなっているとのこと。
 さまざまな手法で各学校が生徒の服装指導に取り組んでいることからも、服装指導には終わりがないことを感じる。

 服装の乱れは心の乱れにつながるとも言われる。服装や髪型は、どこまでが自由なのか線引きが難しい問題でもある。今一度、教師、生徒、保護者が一体となって議論することが大事かもしれない。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
3件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2008/11/20 17:54:49
    日頃から、点数を取るためだけの教育はいくない!って言っているんだからこの措置は当然じゃないですか。点数だけで合否を決めるなら面接もしなくていいでしょう。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2008/12/1 21:32:52
    就職活動の面接に茶髪でくれば大概落とされます。
    それを身を持って学んでよかったんじゃないでしょうか。
    • 3
    • 名無しさん
    • 2008/12/7 13:28:29
    義務教育ではないのだから,当然の処置ではないでしょうか。社会のルールを今のうちから身をもって経験させることは必要だと思います。まだ未成年だからという理由で受け入れてしまっては,その学校がかわるのは難しいでしょう。
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