11月1日より映画『レッドクリフ PARTT』が公開されました。夏から全国をまわっている『大三国志展』などとの相乗効果もあってか、“三国志熱”が高まっているようです。
中国の後漢末期の魏・呉・蜀の三国の興亡史である三国志はその豊富なエピソードが多くの人をひきつけ、中国だけにとどまらず世界各国、日本でも幅広い年代に支持されています。
11月1日に公開された『レッドクリフ PARTT』は『男たちの挽歌』や『ミッション・インポッシブル2』などアクション映画で有名なジョン・ウー(呉宇森)監督による三国志を題材とした映画。中心人物である諸葛亮孔明を金城武が演じていることもあり、日本でも公開前から話題になっていました。この映画は公開5日間で100万人を動員。日本における三国志の人気の高さを改めて示した形になりました。
PARTTの内容は三国志では有名な“赤壁の戦い”にいたるまでを扱ったもので、オリジナルなストーリー展開やワイヤーアクションシーンなど「あり得ない」場面もあり、ファンからは賛否両論あるようですが、エンターテインメント性の高い作品に仕上がっていますので、歴史に興味を持つきっかけとしてはよいのではないでしょうか。来年4月には“赤壁の戦い”をメインとした『PARTU』が公開予定とのことです。
「魏志倭人伝」(※1)によれば、卑弥呼が交流をもち、「親魏倭王」の金印をもらったのはこの三国のうちの魏。当時の皇帝はこの映画の登場人物である曹操の孫にあたる曹叡(明帝)です。そのあたりを授業の導入で取り上げるのも面白いかもしれません。
また、本日14日には『第1回 三国志検定』が全国各地で実施されています。これは三国志の知識を競うもので、難易度別に2級と3級があり、3級は一般的に有名な小説『三国志演義』のエピソードを中心とした基礎的な問題。2級は正史と言われる歴史書の三国志、三国時代前後も含めたかなり難易度が高いものです。
学校の勉強には直接役に立たないかもしれませんが、子どもたちの知識欲を刺激するには面白いかも? 興味がおありの方は第2回に申し込まれてみてはいかがでしょうか。
※1 一般に日本で知られている「魏志倭人伝」はそのような書物があるわけではなく、陳寿により著された中国の正史『三国志』中の「魏書」に書かれている東夷伝の倭人の条の略称。
- 映画『三国志』(原題:三国之見龍卸甲)
http://www.sangokushi-movie.jp/ - 飯田市 川本喜八郎人形美術館
http://www.city.iida.lg.jp/iidasypher/puppet/kawamoto/
男性に多い三国志ファンをベースにしつつ、金城武の起用やジョンウー監督作品ということでミーハーな女性まで取り込んでますからね。普通なら「三国志」と聞いて眉をひそめる女性陣をちょっと見てもいいかなという気にさせたのが成功の原因ではないでしょうか。映画の内容も原作に忠実というよりは、女性に受けそうなアレンジになってました。