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減らない東京都の保育所待機児童―景気悪化で大幅増も
kyoikujin
2009/2/27 掲載

 出産後に仕事に復帰する女性の増加や、就業形態の多様化などにより、東京都では子どもを預かる保育所の数が不足し、希望しても保育所に入ることができない、いわゆる“待機児童”の増加が問題となっているが、急激な景気悪化の影響を受けて、保育所不足に拍車がかかる見通しが伝えられている。

景気悪化の影響で…

 20日の毎日新聞の記事によると、景気の悪化で家計が圧迫され、働きに出ざるを得ない母親が増加したため、都内の認可保育所への入所希望者が急増しているという。
 杉並区の約30%増をはじめ、23区内では前年比2桁増となる見込みの区も少なくないため、慢性的な保育所不足の状況がさらに深刻化する可能性が高くなっている。

減らない保育所待機児童

 東京都の平成20年の保育所待機児童数は、5479人と全国で最も多く、過去5年間の待機児童数も4500人〜5500人の間で推移しており、ほとんど改善の傾向が見られないというのが実情だ。
 また、この統計の中には、やむを得ず無認可の保育所に通っている子どもの数等は含まれていないため、潜在的な待機児童の数はもっと多いと見られている。

課題多い認証保育所制度

 東京都では、このような慢性的な保育所不足の状況を改善すべく、国の設置基準に基づく認可保育所以外に、都独自の設置基準による認証保育所制度を設け、民間企業の参入を促してきた。
 平成20年の認証保育所の数は410か所と、過去5年間でほぼ倍増し、認可保育所の4分の1に達しているが、小規模の施設が多いため、定員数は約1万2000人と、認可保育所の10分の1にも満たない。
 また昨秋には、開所からわずか2か月の認証保育所が利用者への事前通知もなく突然閉鎖し、その後の調査で運営者の財務状況が極めて不安定だったことも判明したため、認証制度自体を問題視する向きもある。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2009/2/27 17:40:22
    給付金やめて保育所の充実に充てればいいのに。
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