きょういくじん会議
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明日の紙芝居師求む! 紙芝居師オーディション
kyoikujin
2009/4/17 掲載
日本の大道芸 紙芝居屋さんの一日

 「きょうはどんなおはなしがきけるのかな?」と、子どもたちが心待ちにする日もそう遠くはないかもしれません。というのも、紙芝居を披露するプロの「紙芝居師」を養成するためのオーディションが行われます。漫画やテレビアニメが普及した現在、昔の子どもたちのエンターテイメントのひとつとして位置づけられそうな紙芝居。ですが、この機会にプロの紙芝居師が増えれば、子どもたちに紙芝居の楽しさが広まってゆくのではないでしょうか。

 シブヤ経済新聞の記事によると、今月23日までプロの紙芝居師を養成するオーディションの参加者を募集しているようです。オーディションを主催するのは、漫画家のマネージメント業務などを引き受ける漫画家学会。同社は、京都国際マンガミュージアムなどを中心に活動する紙芝居師歴約40年の「ヤッサン」こと安野侑志氏のとともに紙芝居のイベントなどをこれまで行ってきました。今回のオーディションは、日本発の文化である紙芝居の普及と、不況下の雇用創出を掲げた同社の新規事業のひとつのようです。

気になるオーディションとその後

 オーディションでは、安野氏の模範口演の後、応募者の朗読、紙芝居の実演による審査などが行われるようです。合格者は固定給が支給され、安野氏による演技指導などを受けながら、将来的に独立を目指すこととなります。なお記事によれば、東京に先駆けて大阪で行われたオーディションでは150名程の応募があり、3名の合格者が生まれたとのこと。また大阪での参加者についても

紙芝居になじみのある団塊世代などの年齢を予想していたが、ふたを開けてみれば若い世代が多くて驚いた

という関係者の話もあり、現代の若者へも訴えかける魅力が紙芝居にはあるようです。

紙芝居の魅力

 紙芝居のよいところといえば、やはり紙芝居師と聞き手の距離の近さとライブ感、そして何より紙芝居を通したお互いの交流にあるのではないでしょうか。紙芝居師は聞き手の反応をみながら、抑揚をつけた語り口でダイナミックに物語を演出することができます。他方、聞き手側は紙芝居師の演出する物語を、ごく至近距離で直に感じることができます。

 日頃、子どもたちを相手に保育園で「紙芝居師」となっている知人に紙芝居を披露するときの様子を伺ってみました。「絵本の読み聞かせとは異なり、聞き手の園児の数が多いことから、物語の演出次第で園児同士でも盛り上がってくれる」、また紙芝居の数にも限りがあり、同じおはなしを披露することが避けられないながらも、「知っているおはなしをやると、台詞を覚えいる園児もいて、そんな園児らと台詞をいいながら一緒に物語を作り上げられる」との話を聞かせてくれました。

 聞き手の反応を見ながら物語を演出し、お互いに物語を楽しむことができる紙芝居師。興味をもたれた方は、明日の紙芝居師を目指してオーディションを受けてみてはいかがでしょうか。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2009/4/20 8:28:42
    紙芝居、子どもに読んであげたら絵本以上に盛り上がりました!自分自身も声色を変えたり、めくるタイミングを考えたりして盛り上がってしまうからなのかもしれませんが。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2009/4/21 20:52:38
    「読み聞かせ」とはまた違った趣があるのかもしれませんね。
    作品も「読む」というよりも、「見せる」、「聞かせる」ために作ってあるはずですし・・・。
    「聞き手」だけでなく、「読み手」側も楽しめれば2度おいしいですね。

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