きょういくじん会議
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今日は「海軍記念日」―日露戦争を考える
kyoikujin
2009/5/27 掲載
1/350 日本海軍 戦艦 三笠 “日本海海戦”

 本日5月27日は、戦前は「海軍記念日」とされ、休日とされていました。1905年の日露戦争で日本海軍がロシアのバルチック艦隊を破った日本海海戦の勝利を記念していたものです。

 1945年の敗戦によりこの記念日は廃止されましたが、この海戦の指揮をとっていた東郷平八郎元帥を祭神とする東郷神社などでは、春季例祭として行事を行っています。東郷はこの海戦で、無謀とも言われる「敵前大回頭」(※1)などをし勝利をおさめたとされ、NHKの『その時、歴史は動いた』では、この様子を「運命の一瞬、東郷ターン〜日本海海戦の真実〜」として取り上げました。
 この時の旗艦であった戦艦「三笠」は現在も神奈川県横須賀市に“記念艦”として保存され、観覧することができます。この記念艦「三笠」でも、同日に「日本海海戦記念式典」を毎年行っています。

 この海戦に代表される日露戦争は、アジア・中東・北欧などにおいて民族独立運動に力を与えたとも、またこれを機に日本が軍国主義に突き進んでいくきっかけになったとも言われています。

 日露戦争を扱った小説としては、司馬遼太郎の『坂の上の雲』が有名です。正岡子規と、その友人であった秋山真之・秋山好古の日露戦争で活躍した秋山兄弟を主人公としたこの小説は、その歴史観・人物観に賛否両論あるものの、『竜馬がゆく』とともに司馬の代表作、双璧ともされてきました。NHKでは、スペシャルドラマ『坂の上の雲』として、今年の11月から、3年にわたって放送を予定しています。
 また、アジア歴史資料センターでは、インターネット特別展として、日露戦争の開戦前後から講和までを、資料で位置づけた『日露戦争特別展―公文書に見る日露戦争』を開いています。

 その後の日本や、世界にも大きな影響を与えたと言われる「日露戦争」について、この幻の記念日を機会に、ドラマや現存する史料から考えてみるのもよいかもしれません。

※1 縦棒同士で平行にすれ違うような体制から、敵前で急ターンをして、丁字の横棒のような形となり、縦棒で進んでくる敵艦隊の進路を阻み、敵艦隊の先頭部分に一斉射撃を集中し、各個撃破するもの。回頭している間は無防備に砲撃をうけるなどのリスクがあるが、縦に並んでいる敵艦隊の後ろ部分は距離が遠くなり、有効な砲撃ができなくなる。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
2件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2009/5/28 8:33:30
    横須賀の三笠を初めて見たとき、ちょうど「坂の上の雲」を読んだあとだったので感慨深かったです。普段横浜や晴海で大型客船を見慣れていたせいか、想像以上に小さく感じた記憶があります。実物は見ておくものだなと思いました。
    • 2
    • 名無しさん
    • 2009/5/29 8:45:31
    NHKの坂の上楽しみですよね!
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